発信日:令和6年5月31日
内容:第1回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:分科会幹事代表 三堀 隆(主席研究員)
"MD分科会 R6第1回分科会の実施報告と次回予定等"
第1回MD分科会(5/30)を、一般会員7名、研究所側からは森本会長、長瀬理事、外園理事、肥田木事務局長及び研究員の6名、計13名の参加のもと、以下の通り実施しました。
新年度に入り、これで本分科会活動も3年目となります。お陰様で、新たに4名の一般会員を迎えて、登録者延べ約20名となりました。皆様には、本活動に、ご理解、ご協力をいただき、本当にありがとうございます。本紙面を借りて御礼申し上げます。
さて今回は、5月5日から8日まで、米国フロリダ州キシミーのGaylord Palms Resort and Conference Centerで開催された”GEOINT 2024 シンポジウム”からの最新情報を、神山政策研究員から報告をしていただきました。
内容としては、GEOINT 2024での米国IC関係機関※1によるKeyNoteスピーチを中心に、加えて会場展示のあった代表的な企業※2の技術をデモビデオなどをつかって具体的に示すなどの工夫で、主な出展企業の動向についても紹介がありました。
※1:国家情報副長官(DDNI)、宇宙軍(USSF)、CIA、NATO、国家地理空間情報局(NGA)、国防総省(DoD)、国家宇宙会議事務局(NSpC)等
※2:Blackshark.ai社、Cognitive Space社、Descartes Lab Government社
また、MD分科会の趣旨に合わせて、大きく変化しつつある宇宙安全保障を取り巻く環境について敷衍して、講師が追加調査された宇宙脅威分析(CSIS)、SDAのPWSA構想、静止軌道上での米中衛星のバトル等についても紹介がありました。
残念ながら、盛りだくさんのため、当日のすべてをお伝えすることはできませんが、特に講師から考察として提示された”防衛宇宙利用に係る我が国の抱える課題”は、参加メンバーだけではなく、広く防衛における宇宙利用の在り方に関心をお持ちの皆様にも、共有していただきたく、講師のご許可を得て、以下にその要点を掲載いたします。
ご意見等、是非いただけましたら、幸甚です。
【緊迫する安全保障環境:防衛宇宙利用に係る我が国の課題】
課題1:中国の脅威を念頭に、日米における分担を定め、時間軸を踏まえた宇宙安全保障態勢の目標と体制構築へのシナリオを策定すべき!
課題2:特に、日米首脳会談でコミットされた「極超音速滑空体(HGV)等の脅威のための地球低軌道の探知・追尾のコンステレーションに関する二国間協力」に関し、具体的な行動が急務!(米国はGlobal、日本はRegionalという枠組みもあるのでは?)
課題3:防衛省・自衛隊は、ミサイル防衛のキルチェーンを構成する宇宙資産を、自ら保有し運用する必要がある!
課題4:宇宙安全保障に商業宇宙を組み込む上で、防衛省は国防宇宙戦略、商業宇宙統合戦略等を策定し指針を示す必要がある!
1.今回の実施内容:
■ テーマ:”GEOINT 2024 シンポジウムからの最新情報”
Essential in All Dimensions and Domains
(地理空間情報は、あらゆる次元と領域で必要不可欠)
■日時/場所:5月30日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
■内容:(以下は主な目次)
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- GEOINT2024報告
・ GEOINT2024概要
・ Key Note Speech(米国IC関係機関) - GEOINT2024を契機とした追加調査情報の共有
・ 中国とロシアの宇宙安全保障上の脅威
・ 宇宙領域における米国の安全保障への対処
・ 次世代GMTIを巡るNGAと宇宙軍/NROの主導権争い
・ 米国の宇宙安全保障態勢に商業宇宙を組み込むコミット
・ 日米首脳会議で確約された“HGV対処の衛星コンステレーション” - 課題の考察
- GEOINT2024報告
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2.次回予定等 【改訂】
■ 第2回 : 「中国戦略支援部隊の改組とそれに伴う「情報支援部隊」等の創設」(仮)←変更
■ 講 師 : 田中三郎 氏 (中国軍事研究家)←変更
■ 日時/場所:7月25日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
;次々回以降は、原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。
以上