発信日：令和6年9月12日(改定：9月18日)
内容：第3回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者：分科会幹事代表 三堀 隆（主席研究員）
"MD分科会 R6第3回分科会の実施報告と次回予定等"
第3回MD分科会(9/10)を、講師に内閣府における経済安全保障分野での政策検討にも協力されている小山浩 氏(工学博士)を迎えて実施しました。 お陰様で、一般会員11名、研究所側からは森本会長、今津理事長、外園理事、神山理事、肥田木事務局長及び研究員の8名、計19名と予想を上回る人数の参加をいただき、事務所のキャパを超える盛況となりました。ただ、結果、一部の方には立って聴講いただかざるを得ないこととなりましたこと、この紙面を借りご容赦をお願いする次第です。
今年4月8日から11日まで実施された「Space Symposium 2024」は、例年同様に米国コロラド州のコロラドスプリングズのザ・ブロードムーア（ホテル）にて開催され、今回で39回目を迎えました。
さて講義では、シンポジウムでの主要キーパーソンの講演※1について、前年度(2023)での発表内容と比較して今年度(2024)の内容を紹介することで、米国の宇宙政策の方向性を分かりやすく解説していただきました。また、その他の講演/パネル討議※２についても同様に紹介がありました。
※1： 米宇宙軍作戦部長：Gen.B.Chance Saltzman、米宇宙軍・宇宙開発局(SDA)局長：Dr.Derek Tournear、 米空軍長官：Mr. Frank Kendall、NASA 副長官：Pamela Melroy
※2：欧州宇宙機関事務局長：Dr. Josef Aschbacher、大統領副補佐官兼国家宇宙会議事務局長：Mr. Chirag Parikh、パネル討議 ：「Cislunar Strategy, Science, Security, and Synergy」
1時間以上にわたる講義のポイントとして、以下に講師による「まとめ」を要約として、講義内での主な議論/指摘と共に掲載させていただきます。
【まとめ】
●これ迄のシンポジウムでは、米国を中心とした安全保障セクターとNASA/ESA/JAXA等の各国宇宙機関の 代表者がバランスよく、講演、パネルを行っている印象であったが、今回は、安全保障セクターとそれを支えるコマーシャル宇宙が主役となっている。
●Saltzman米宇宙軍作戦部長の講演において、直近に策定された”Commercial Space Strategy”の紹介がなされた。
○民間宇宙産業、同盟国、その他の国際的なパートナーとの宇宙管理、協力、協調に関するパートナーシップを引き続き強化するためにも、宇宙軍と産業界との共通理解を有することが不可欠との認識がより高まっている。
○こうした目標を達成するために上記文書を策定し、商業ソリューションを4つの評価軸（運用上の有用性、実現可能性、レジリエンシー、実装までのスピード）に基づき評価し、商用宇宙能力としての採用を推進するとされ、今後の必要される具体的分野/内容が示されている。
○従来、商用宇宙といった場合、商用通信衛星分野における製品力、構想力、ビジネス展開力に視点があてられることが多かったが、今後は、“商用宇宙能力”といった言葉に示される通り、より広い範囲の分野での能力が求められている。
➡[議論/指摘]
・（米国の場合）あくまでもコアに軍事宇宙能力があって、その補強して商用宇宙を利用するという前提を忘れてはいけない。
・採用にあたっては、衛星単体としてではなく、商用ソリューション/サービスとしての能力が求められている。●米軍、更には欧州においても、これ迄の官主導の開発といったビジネスモデルを民間のサービス調達は、更には、 民間能力を培うための政府支援強化の方向に完全に方向転換を行っている。
●こうした大きな潮流への対応に向け、今後企業に求められる”商用宇宙能力”の精査、それに基づく開発戦略 の方向付け等が喫緊の課題。
１．今回の実施内容：
■ テーマ：”米国スペースシンポジウム2024の状況”
■日時/場所：9月10日(火) 15:30－17:00 ＠JISSオフィス
■内容：
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- ⅰ スペースシンポジウムの概要
- ⅱ 主要講演に基づく米国宇宙政策の方向性
- ・Space Force
・Space Development Agency ・Air Force
・NASA
- ・Space Force
- ⅲ その他の主要講演
- ⅳ まとめ
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２．次回予定等：
■ 第４回 ：”大規模災害発生時の情報収集に不可欠な宇宙”（仮）
■ 日時/場所：日程調整中
；9月は別行事と重なる関係で、次回は10月の開催を計画しております。
以上
