発信日:2024年1月27日
内容:R5第9回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第9回分科会の実施報告と次回のご案内”
第9回分科会(1/25)を、一般会員4名、研究所側からは長瀬理事、外園理事、藤井事務局長及び研究員4名の計8名の参加のもと、以下の通り実施しました.
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内容としては、米国が現在注力し、防衛3文書にも取り上げられている、「同志、同盟国との連携」についての議論に資することを目的に、有事に備えて周辺国がどのような取り組みを行っているかをテーマに、今回はインド共和国を取り上げました。
インドは、「グローバル・サウス」の代表格として、またウクライナ侵攻でもロシアとの関係を維持しつつ、対中国については米国や我が国とも連携するなど、いわゆる「全方位外交」を展開しています。また、その人口は中国を抜いて世界一となり、経済的も2027年にはGDPで、日本、ドイツを抜き、世界3位の経済大国になることが確実視されています。
一方、中国との間では、1951年の中国のチベット併合及び1962年の中印国境紛争以降、両国の国境の西、中、東部の3地域にわたって国境紛争が断続して発生しており、2020年には現状中国が実効的に支配する国境西部のアクサイチンを巡って、印ラダック領との境界で印中両軍が衝突し死傷者が出るなど、関係は極めて悪化しています。
また、1980年代には一時は関係改善の動きは見られたものの、中印国境紛争後、インドは非同盟主義・平和主義を捨て、事態悪化に備え軍備増強の方針に転換することとなりました。
今回の調査においても、インドが、その国家防衛戦略に沿って「5層ミサイル防衛システム、AGRI弾道ミサイル、潜水艦搭載弾道ミサイル”Kシリーズ”、対衛星攻撃兵器」などの装備開発に、体系的に取り組んでいる状況を知ることができ、大変勉強になりました。
講義の中では、ミサイル防衛における対処覆域についての我が国との比較、最外層のインド国産ミサイルの防衛範囲(全土防衛か重要領域防衛か)、S-400の実力(THAAD/PAC-3との比較)などで質疑が盛り上がり、準備した宇宙開発関連の資料まではカバーしきれませんでした。また、時事ネタについても、台湾統一の動きに与える「もしトラ」についても興味が集中しましたが、やはり時間切れとなり、合わせて次回ということとなりました。
以上、今回の実施内容のレジメ概略は、以下の1項に記載します。
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次回第10回MD分科会は、今回カバーしきれなかった「インドのミサイル防衛を支える宇宙関連技術の調査結果」について、ご紹介することを考えております。また、好評?であった時事ネタも割当の時間を増やし、新たな更新情報をご報告できればと思っています。
既メンバーの皆様には、例会通り事前にご案内をお送りしますので、参加確認をお願います。また、新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
■テーマ: " 周辺国が取り組む「ミサイル防衛」 - インド共和国- ”
■日時/場所:1月25日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
■主な内容
(1)迫りくる危機
◎War with China:ジェームズ・ドビンズ氏、国際戦略研究所(IISS)、2012年
◎中国周辺で頻発する国境紛争
◎新たな外交戦略 : 「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」
◎新たな計画: 「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序(FOIO)」
(2)インド共和国
◎インド Now:悪化する対中関係
◎インド周辺への配備を強化する中国軍
◎インド側の対応
◎ミサイル防衛
◎戦略核抑止の主力: 「AGNI」弾道ミサイル
◎2次核攻撃能力の要: 「K-シリーズ」
◎対衛星攻撃兵器(ASAT)
(3)時事ネタ
2024年は激動の年!、新・台湾統一シナリオ
2.第10回予定:
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- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
2.今後の計画等:
原則、毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第11回 3月28日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上