お知らせ

お知らせ投稿:JISS_md研究会

MD分科会からのお知らせ MD#01_35

内容:R6第8回分科会の実施報告と次回R7分科会のご案内
発信日:令和7年4月3日
発信者:分科会幹事代表 三堀 隆(主席研究員)

"MD分科会 R6第8回分科会の実施報告と次年度予定等"

  今回メンバーは、一般会員5名、研究所側からは長瀬理事、平田顧問、肥田木事務局長及び研究員5名の計10名の参加をいただきました。


  2025年1月に発足した第2期トランプ政権は、メキシコ国境の安全強化、移民政策の厳格化を始め、特に、安全保障に関しては、イスラエルとウクライナにおける停戦調停に積極的に取り組んでいます。また、3月下旬、「中国に対する抑止力の強化」についても、ピート・ヘグセス国防長官は日本、フィリピンといった太平洋地域の同盟国を訪問しました。特に、フィリピンでは、南シナ海での中国の脅威に対抗するため、対艦ミサイルシステム(NMESIS)や無人海上船舶の配備等の追加的な安全保障支援を発表しています。

  なかでも、トランプ政権の取り組みの中で、我々MD分科会が今回注目したのは、2025年1月27日、ドナルド・トランプ大統領が署名した「Iron Dome for America(アメリカ版アイアンドーム)」の構築を指示する大統領令14186号です。 ​この大統領令の目的は、弾道ミサイル、極超音速ミサイル、巡航ミサイルなどの先進的な空中攻撃から米国本土を防衛する次世代ミサイル防衛システムを構築することとされています。この大統領令は、米国のミサイル防衛戦略における重要な転換点となり、今後の防衛政策や国防予算にも大きな影響を与えると考えられています。

  講義では、米シンクタンクCSISの3人の専門家、ミサイル防衛プロジェクトのトム・カラコ博士、航空宇宙安全プロジェクトのカリ・ビンゲン博士、及び核問題プロジェクトのヘザー・ウィリアムズ博士による対談「What is the "Iron Dome for America"? 」※を取り上げ、3名のご発言を、大統領令を読み解くための鍵とすべく、整理を行いました。
  ※ https://www.youtube.com/live/lZiRmCtcYo4?si=nGvaIouYPFhtQFoJ

  また、この大統領令の背景でもある、現在ウクライナ及び中東で展開されている「ミサイル防衛」の実際(実相)について、現在編集中の「2024年度研究報告書」から抜粋し、イラン・イスラエル紛争や、ウクライナへのロシアの長距離攻撃作戦に代表されるような、従来とは大きく異なる戦闘が展開されている状況を、参加者で共有をしました。


  さて次回からは、年度も改まります。昨年も好評でした、Space Symposium、GEOINT Symposiumの最新状況の報告を含め、宇宙に関連するテーマを扱いたいと考えています。皆様、奮ってご参加ください。

以上


1.今回の実施内容:

    ■ テーマ  「Iron Dome for America & ミサイル防衛の動向」
         - トピックと2024年度研究報告書(抜粋)-

    ■ 講師: 三堀 隆(JISS 主席研究員)
    ■日時/場所:3月27日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
    ■内容:

      • トピック:“Iron Dome for America”
             ・2025年1月27日、マイアミで開催された米下院共和党政策課題会議で演説するトランプ大統領 
             ・CSIS対談:What is the "Iron Dome for America"?
      •  ⅱ 2024年度研究報告書(0版)「ミサイル防衛の実相」の紹介 
             ・表紙:米国ホワイトサンズ実験場での中SAM(改)の射撃試験
             ・目次(仮)
      • Counterforce Attack の実相
         ※イラン・イスラエル紛争から「イランのイスラエルへの直接攻撃」
             ・4月13日:イランのミサイル、ドローン等による攻撃(True Promise)
             ・10月1日:イランの約200発の弾道ミサイルによる攻撃(True Promise Ⅱ)
               - 詳細:Nevatim空軍基地への着弾状況
               - 紛争で使用されたとされる弾道/極超音速ミサイル
      • Countervalue Attack の実相
         ※ロシア・ウクライナ紛争にみる対空戦闘の動向
             ・ロシアの長距離攻撃作戦:巡航ミサイル、弾道ミサイルとドローン
             ・ウクライナの対空防衛の変遷
             ・8月20日シルスキー総司令官のブリーフィングで報告されたミサイル/ドローン迎撃状況
             ・長距離攻撃作戦で使用されたロシアの主なミサイルとドローン

2.次回予定等:

    ■  第1回(2025年度): 「米宇宙軍 が発表した“ Space Threat Fact Sheet ”」(仮)

    ■ 講師         :  三堀 隆(JISS 主席研究員)

    ■ 日時/場所:  4月24日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス 

以上