お知らせ

お知らせ投稿:JISS_md研究会

MD分科会からのお知らせ MD#02_36

内容:R7第1回分科会の実施報告と次回第2回分科会のご案内
発信日:令和7年4月29日
発信者:分科会幹事代表 三堀 隆(主席研究員)

"MD分科会 R7第1回分科会の実施報告と次回予定"

  今回は、一般会員3名、研究所側からは神山理事、肥田木事務局長及び研究員4名の計7名の参加のもと実施しました。


  分科会で取り上げる最近のテーマは、トランプ政権、中東紛争といった時事ネタが多くなっていました。そこで、新年度に入ったのを機会に、今回は安全保障に係る宇宙の話を積極的に取り扱うことにしました。

  テーマは、特に中共軍の宇宙への取り組みへの米軍の危機意識に焦点を当て、昨年米宇宙軍(USSF)が発表した「宇宙脅威ファクトシート(Space  Threat Fact Sheet)を取り上げました。
公開資料による限りは、米宇宙軍(USSF)はその設立後、宇宙空間における脅威の増大に対する認識として、数度にわたり、「宇宙脅威ファクトシート」を発表しています。その内容が、初めてオープンにされたのは、2024年4月29日の「宇宙脅威ファクトシート」(v4)であり、中国のISR(情報・監視・偵察)衛星の急増、対衛星兵器(ASAT)の開発状況、ロシアの宇宙軍事能力の拡大が報告されていました。以降、2024年7月16日、2024年12月5日と更新され、2025年4月時点では2025年2月21日版であるv7が最新です。

  今回は、この最新版(v7)に示されている中共軍の宇宙への取り組みに絞って、9つのサブテーマについて深掘りをしました。詳細は省略しますが、以下の1項に概要を載せましたので、ご参照ください。米宇宙軍は、商業宇宙産業との連携を強化するため、脅威情報を共有する取り組みを推進しています。本「宇宙脅威ファクトシート」の公開もその一環とされ、今後とも定期的に更新・報告される予定のようです。​大きな変更等があれば、機会をみてお知らせしたいと思います。


  さて次回からは、4月、5月と連続して実施される、Space SymposiumとGEOINT Symposiumの最新状況の報告をお願いする予定しています。ご期待ください。

以上


1.今回の実施内容:

    ■ テーマ  「米宇宙軍が発表した“ Space Threat Fact Sheet ”」
         - ここまで発展した中共「軍事宇宙部隊」 -

    ■ 講師: 三堀 隆(JISS 主席研究員)
    ■日時/場所:4月24日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
    ■内容:

      • ①宇宙は新たな戦闘領域:世界で2番⽬に独立した「宇宙軍」を持った中共軍
             ・人民解放軍(PLA)の組織:”軍事宇宙部隊”
             ・中国における宇宙関連機関
             ・米宇宙軍関連の編成(2024年6月時点)
      • ② ⾧距離精密攻撃を可能とする宇宙ISRTアセットの充実
             ・中国のロケット打上げ状況
             ・中国の保有衛星の内訳
             ・ 「TJS-12」:通信技術試験衛星!?
             ・ 「遥感41号」:静⽌軌道リモートセンシング衛星!?
      • ③ pLEOで猛追する中国:中国人民解放軍(PLA)の焦り
      • ④ 2020年7月、北斗3号シリーズのシステム構築完了
      • ⑤ 再使用型宇宙システムへの取り組み
      • ⑥ SSAへの独自の取組み
      • ⑦ 宇宙からの攻撃への進化:FOBS
      • ⑧ 宇宙空間での中国の衛星による活発なRPO実験
      • ⑨ 対宇宙作戦を組み込んだ定常的な「中共軍の軍事演習」
             ・対宇宙作戦としての”ジャミング及び対ジャミング対策”

2.次回予定等:

    ■  第2回(2025年度): April 7-10に実施された「Space Symposium 2025」報告(仮)

    ■ 講師: 小山 浩氏 慶応大学 特任教授(工学博士)/三菱電機株式会社 防衛・宇宙システム事業本部 主席技監

    ■ 日時/場所:  (調整中) 

以上