プレスリリース

研究レポート

JISS研究報告書(JISS Technical Report 2022-03)【中間報告】の発行(5月19日更新)



2022年度研究報告書【中間報告】の発刊にあたって

  今年度の研究は、一般会員にも参加いただき、幅広い意見交換による検討の深掘りすることを企図し、従来の幹部/研究員を中心とした研究会から、一般会員にも参加いただける分科会形式へと運営を変更しました。
  まだコロナ禍が収まらない中ではありましたが、2月末からのウクライナ侵攻及び台湾情勢の緊張の高まりを受け、お陰様で、外部からは正/賛助会員企業3社、個人会員1名の応募をえて、7月以降、月1回、計6回の分科会を開催出来ました。(各討議内容の概要についてはホームページの「お知らせ」を参考ください。)

  今年度の報告内容としましては、昨年末の段階では、分科会の実施内容に合わせ、次のような3部構成で考えておりましたが、取りまとめの段階で、第Ⅰ部の「ウクライナ侵攻と宇宙利用」だけでも、70ページ近い分量となってしまいました。

     第Ⅰ部 ウクライナ侵攻と宇宙利用
     第Ⅱ部 不透明さを増す東アジア情勢
     第Ⅲ部 ミサイル防衛に求められる宇宙システム

加えて、第Ⅱ部及び第Ⅲ部に係る内容につきましては、今般の安全保障関連3文書で示された反撃能力保有を始めとする防衛政策の歴史的転換を踏まえた内容とする必要があると判断し、初期の意図したこれらのすべてを、現時点で単にまとめ上げることは、適切ではないと判断いたしました。

つきましては、まずほぼ収束が見えている「第Ⅰ部 ウクライナ侵攻と宇宙利用」までを一旦まとめ、皆様にもタイムリーにご活用いただきたく、今回の【中間報告】の発行に至りました。

  宜しく、ご理解の程をお願いいたします。

2023(令和 5)年3月
「ミサイル防衛における宇宙利用」研究会 幹事一同
三堀 隆  (主席研究員)
神山 洋一 (政策研究員)
田中 好雄 (主任研究員)

「新たな脅威への対処に不可欠な宇宙 Ⅲ 」
-迫りくる有事、ミサイル攻撃への備え-
【中間報告】(5月10日:表紙更新)

【研究報告書の内容】
第Ⅰ部 ウクライナ侵攻と宇宙利用

1.ウクライナ侵攻の展開と宇宙利用
(1)ウクライナ侵攻準備:国境地帯にロシア軍集結
        【宇宙利用例1】 監視a、b、c、d
(2)侵攻寸前:ロシア軍の増強と国境地帯での大演習 
        【宇宙利用例2】 侵攻準備の分析
(3)侵攻開始:開戦初期の攻防
 (3ー1)ロシアによる「特別軍事作戦」の開始
        【宇宙利用例3】 戦況把握
 (3ー2)ロシアの侵攻に対する国際社会の強い怒り

(4)各方面での戦闘の展開
 (4ー1)北部:首都キーウへの電撃侵攻
        【宇宙利用例4】 戦況把握a、b、c、d
 (4ー2)北部:ロシア軍の首都キーウからの撤退
        【宇宙利用例5】 戦争犯罪のフォレンジックa、b
 (4ー3)北東部方面:第2の都市ハルキウからも撤退
        【宇宙利用例6】 被害評価
 (4ー4)南東部方面:マリウポリ包囲戦
        【宇宙利用例7】 被災状況分析
        【宇宙利用例8】 被害評価
 (4ー5)東部方面:セヴェロドネツク・リシチャンシクの攻防
        【宇宙利用例9】 被災状況分析
 (4ー6)南部方面:ヘルソン・ザポリージャでの反転攻勢
        【宇宙利用例10】 攻撃効果分析
 (4ー7)関連の動向:NATOの更なる対応

(5)その他の宇宙利用関連
(6)全般トピックス
    TOPIC-1:ウクライナ全土へのミサイル攻撃
    TOPIC-2:NASA「FIRMS」で見るウクライナ戦争の推移

2.商業衛星を利用したウクライナ侵攻での監視・偵察
2.1 ウクライナ侵攻での米国商用衛星ビジネス
(1)安全保障オペレーションに組み込まれる商用衛星ビジネス
(2)「公開による抑止作戦」(Deterrence by Disclosure)
(3)ウクライナ侵攻時にメディアに登場した商用宇宙システム
(4)商用衛星企業の具体的な利用ケース
 (4-1) インテリジェンス/監視/偵察
 (4-2) 通信
(5)全般トピックス
    TOPIC-3:我が国の商用衛星ビジネスの動向 ーニュービジネスの挑戦ー

2.2 背景にある米インテリジェンス・コミュニティの動向:GEOINT 2022
(1)ウクライナ侵攻での教訓
(2)GEOINTはインテリジェンスの基盤
(3)NGAは軸⾜を技術からミッションに移行
(4)インテリジェンスの統合
(5)⽶国政府の衛星画像等の公開判断について
(6)宇宙軍は情報コミュニティーの18番⽬のメンバー
(7)NRO (国家偵察局) のオープン化
(8)サイバーセキュリティの転換期

3.インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用
(1)ウクライナ侵攻での宇宙利用:まとめ
(2)インテリジェンス・監視・偵察での民間活用と課題
(3)我が国の防衛に不可欠な宇宙

【次回以降の報告内容】
第Ⅱ部 不透明さを増す東アジア情勢
第Ⅲ部 ミサイル防衛に求められる宇宙システム

JISS会員の皆様は、以下のリンクから、pdf版の研究報告書がダウンロードいただけます。
(閲覧には会員用パスワードが必要です)

JISS Technical Report 2022-03_ver.1