プレスリリース

研究レポート

JISS研究報告書(JISS Technical Report 2024-05)【中間報告3】の発行

2024年度研究報告書【中間報告3】の発刊にあたって

  2024年度も継続して分科会を開催し、計8回、各回平均参加者12名と活発な活動とすることができました。ご参加いただいた皆様には、幹事一同、心より御礼を申し上げます。
  今回の2024 年度版の報告書は、当初は2023年度の「不透明さを増すアジア情勢(続き)」として「台湾情勢」を取り上げる予定でしたが、副題を「ミサイル攻撃の実相」と改めて、現在も継続している 以下の紛争・戦争において、注目を集めているミサイル攻撃の実際を取り上げることとしました。
   ・イラン・イスラエル紛争におけるミサイル攻撃の応酬
   ・ロシア・ウクライナ戦争にみる対空戦闘

  先般、トランプ米大統領は、米国本土のミサイル防衛を抜本的に強化する「Iron Dome for America」(現在は”Golden Dome”に改称)の構築を国防総省に指示する大統領令(EO14186)に署名をしました。この過程で、大統領は、イラン・イスラエル紛争でのイス ラエルのミサイル防衛の実例を挙げて、米国本土への countervalue attack を確実に迎撃 するミサイル防衛システムの構築と、その兵站保証となる国内製造の重要性を強調しています。

  我々の置かれている状況を考えると、”Golden Dome”は無理でも、我が国こそ、宇宙からの警戒の眼を持ち、脅威を退ける “ミサイル防衛の盾” を備えるべきではないでしょうか。

  なお、今回の調査では、攻撃に使用されたとされる実際の兵器(弾道ミサイル、極超音速 ミサイル等)についても、海外の研究機関の資料、軍事専門家のレポートを参考に、極力具体的な情報を整理するように努力しました。インテリジェンスに関するものであり、根拠の不十分さ等で、確実さは担保されないものの、それらへの対処を求められる「ミサイル防衛」側の皆様の一助となれば幸甚です。

2025(令和7)年5月
「ミサイル防衛における宇宙利用」研究会 幹事一同
三堀 隆      (主席研究員)
神山 洋一 (理事・政策研究員)
田中 好雄    (主任研究員)


「新たな脅威への対処に不可欠な宇宙 Ⅴ」
-ミサイル攻撃の実相-
【中間報告3】

【研究報告書の内容/目次】
第Ⅲ部 ミサイル攻撃の実相
1.イラン・イスラエル紛争におけるミサイル攻撃の応酬
(1)直接紛争に至る背景と経過
(2)4 月 13 日:イランのミサイル、ドローン等による攻撃(True Promise)
(3)4 月 19 日:イスラエルによる空爆による反撃とその後の暗殺事件
(4)10 月 1 日:イランの約 200 発の弾道ミサイルによる攻撃(True Promise Ⅱ)
(5)10 月 1 日以降の状況と米国極秘情報の漏洩
(6)10 月 26 日:イスラエルの ” 反撃(報復) ”
(7)紛争で使用されたとされる弾道/極超音速ミサイル

2.ロシア・ウクライナ戦争にみる対空戦闘の動向
(1)ロシアの⾧距離攻撃作戦:巡航ミサイル、弾道ミサイルとドローン
(2)ウクライナの対空防衛の変遷
(3)ウクライナ軍総司令官シルスキー大将の 8 月 20 日ブリーフィング 
(4)ブリーフィングで報告されたミサイル/ドローン迎撃状況
(5)まとめ(所見)
(6)⾧距離攻撃作戦で使用されたロシアの主なミサイルとドローン


【研究報告書電子版】

JISS会員の皆様は、以下のリンクから、pdf版の研究報告書がダウンロードいただけます。
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JISS研究報告書(JISS Technical Report 2024-05)【中間報告3】pdf版