MD研究会からのお知らせ MD#11

発信日:令和5年3月17日
内容:第6回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD

"第6回分科会の実施報告と次回のご案内"

  第6回分科会(3/16)を実施しました。今回は、昨年末発表された防衛3文書で、大きく取り上げられることとなった”弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合の反撃”に焦点をあて、討論を行いました。テーマ及びその(準備)内容は、1項のとおりです。ご参考ください。

さて、討議において、まず話題となったのは、統合防空ミサイル防衛(IAMD)でした。 一部には、広義に解釈し、ミサイル攻撃について迎撃と反撃を組み合わせて対応することをIAMDとするとの論もあり、定義が曖昧なままでも困るので、我々としても反撃をどう考えるのか、もしくはどう扱うかを議論しました。
  分科会としては、防衛力整備計画の記述を参考に、「統合防空ミサイル防衛(IAMD)システムは、従来の対空(Air:航空機)、ミサイル(Missile:弾道、通常軌道、巡航低高度)迎撃システムを、新たな脅威(HGV等)にも柔軟に対応できるように、能力向上(LOR、EOR等)を図ったものを指す」と考えることとし、一方、反撃には、やはり整備計画に明記されたスタンド・オフ防衛能力等の別の武器体系が必要になるものとしました。言い換えると、統合防空ミサイル防衛能力で確実に迎撃して、スタンド・オフ防衛能力で即座に反撃するということです。
 したがって、今回新たに加わったミッションである”反撃”には、統合防空ミサイル防衛とは違う検討が必要となりますが、名称に拘らず、「我々が対象としている安全保障のための宇宙システムの検討には、迎撃支援と同様に、反撃支援も含める」こととしました。以上、結論的には反撃も検討の対象とするという当たり前のこととなりましたが、一応このように整理を行いました。

次に話題となったのは、今回の防衛力整備計画に記載のスタンド・オフ防衛能力についてです。今回の反撃能力保有の政府決定は歴史的快挙ですが、例えば、2026年、27年とされる有事対処への具体的な期限を考えると、現時点では国産開発品は厳しいことは当然ながら、海外からの既存ミサイル購入についても、その数量確保は難しいのではとの意見が大勢を占め、調達を加速することの必要性を共通認識としました。

更に、反撃が発動される条件である我が国が弾道ミサイル等で攻撃を受ける場合についての議論、これも盛り上がりました。
特に、準備資料で一例として取り上げた、今年1月に「米シンクタンク CSISが発表した中国の”台湾侵攻ウォーゲーミング”」 に関連して、先制攻撃としての在日米軍基地を中心とした航空基地への攻撃が話題となり、結果として、その蓋然性が高いこと、迅速な対応を欠くと、当方の反撃作戦への大きな制約となりうることなどを確認しました。
なお、CSISのウォーゲーミングについては、ゲームのように我が国も参戦することになるのかどうかについての不安など、シナリオの具体的な内容についても、興味が多く示されました。

その他、内容の詳細は載せませんが、今回のテーマ「反撃」がホットであり、かつ従来は実質的にタブー視され、具体的に扱われることがほとんどなかったもののため、大いに議論がなされ、あっという間に2時間半が経ってしまいました。準備したプレゼン資料も半分程度を説明した段階でタイムオーバーとなり、最後のラップアップになんとか結論(論点)のページをねじ込む形となってしまいました。

  次回の分科会については、テーマは未定(仮)ですが、4月には実施することを計画しており、予定を2項に載せておきますので、ご参考いただければ幸甚です。

1.実施内容:

テーマ:”「反撃!」”-スタンド・オフ防衛能力の整備と反撃作戦遂行のための要件-

[主な内容](以下は準備した内容であり、討議はすべてについて行われたものではありません)
  ■歴史的大転換:反撃能力の保有
   ・防衛力整備計画について
     ー スタンド・オフ防衛能力
     ー 統合防空ミサイル防衛能力
  ■迎撃+反撃:ミサイル防衛において我が国に欠落している宇宙システム
  ■戦闘の開始:先制攻撃
   ・例:米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”
  □「弾道ミサイル等による攻撃」への反撃
  □発動はSEW情報!?
  ■論点:宇宙利用なくして「反撃」なし

2.次回予定等:

【テーマ】 ”技術レポート【中間報告】から:宇宙利用への提言”(仮)
 日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス

  1. 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
  2. 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
  3. 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。

以上

発信日:令和5年3月17日
内容:第6回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD

"第6回分科会の実施報告と次回のご案内"

  第6回分科会(3/16)を実施しました。今回は、昨年末発表された防衛3文書で、大きく取り上げられることとなった”弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合の反撃”に焦点をあて、討論を行いました。テーマ及びその(準備)内容は、1項のとおりです。ご参考ください。

さて、討議において、まず話題となったのは、統合防空ミサイル防衛(IAMD)でした。 一部には、広義に解釈し、ミサイル攻撃について迎撃と反撃を組み合わせて対応することをIAMDとするとの論もあり、定義が曖昧なままでも困るので、我々としても反撃をどう考えるのか、もしくはどう扱うかを議論しました。
  分科会としては、防衛力整備計画の記述を参考に、「統合防空ミサイル防衛(IAMD)システムは、従来の対空(Air:航空機)、ミサイル(Missile:弾道、通常軌道、巡航低高度)迎撃システムを、新たな脅威(HGV等)にも柔軟に対応できるように、能力向上(LOR、EOR等)を図ったものを指す」と考えることとし、一方、反撃には、やはり整備計画に明記されたスタンド・オフ防衛能力等の別の武器体系が必要になるものとしました。言い換えると、統合防空ミサイル防衛能力で確実に迎撃して、スタンド・オフ防衛能力で即座に反撃するということです。
 したがって、今回新たに加わったミッションである”反撃”には、統合防空ミサイル防衛とは違う検討が必要となりますが、名称に拘らず、「我々が対象としている安全保障のための宇宙システムの検討には、迎撃支援と同様に、反撃支援も含める」こととしました。以上、結論的には反撃も検討の対象とするという当たり前のこととなりましたが、一応このように整理を行いました。

次に話題となったのは、今回の防衛力整備計画に記載のスタンド・オフ防衛能力についてです。今回の反撃能力保有の政府決定は歴史的快挙ですが、例えば、2026年、27年とされる有事対処への具体的な期限を考えると、現時点では国産開発品は厳しいことは当然ながら、海外からの既存ミサイル購入についても、その数量確保は難しいのではとの意見が大勢を占め、調達を加速することの必要性を共通認識としました。

更に、反撃が発動される条件である我が国が弾道ミサイル等で攻撃を受ける場合についての議論、これも盛り上がりました。
特に、準備資料で一例として取り上げた、今年1月に「米シンクタンク CSISが発表した中国の”台湾侵攻ウォーゲーミング”」 に関連して、先制攻撃としての在日米軍基地を中心とした航空基地への攻撃が話題となり、結果として、その蓋然性が高いこと、迅速な対応を欠くと、当方の反撃作戦への大きな制約となりうることなどを確認しました。
なお、CSISのウォーゲーミングについては、ゲームのように我が国も参戦することになるのかどうかについての不安など、シナリオの具体的な内容についても、興味が多く示されました。

その他、内容の詳細は載せませんが、今回のテーマ「反撃」がホットであり、かつ従来は実質的にタブー視され、具体的に扱われることがほとんどなかったもののため、大いに議論がなされ、あっという間に2時間半が経ってしまいました。準備したプレゼン資料も半分程度を説明した段階でタイムオーバーとなり、最後のラップアップになんとか結論(論点)のページをねじ込む形となってしまいました。

  次回の分科会については、テーマは未定(仮)ですが、4月には実施することを計画しており、予定を2項に載せておきますので、ご参考いただければ幸甚です。

1.実施内容:

テーマ:”「反撃!」”-スタンド・オフ防衛能力の整備と反撃作戦遂行のための要件-

[主な内容](以下は準備した内容であり、討議はすべてについて行われたものではありません)
  ■歴史的大転換:反撃能力の保有
   ・防衛力整備計画について
     ー スタンド・オフ防衛能力
     ー 統合防空ミサイル防衛能力
  ■迎撃+反撃:ミサイル防衛において我が国に欠落している宇宙システム
  ■戦闘の開始:先制攻撃
   ・例:米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”
  □「弾道ミサイル等による攻撃」への反撃
  □発動はSEW情報!?
  ■論点:宇宙利用なくして「反撃」なし

2.次回予定等:

【テーマ】 ”技術レポート【中間報告】から:宇宙利用への提言”(仮)
 日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス

  1. 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
  2. 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
  3. 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。

以上