MD研究会からのお知らせ MD#17

発信日:2023年9月1日
内容:R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD

“R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内”

 第5回分科会(8/31)を、一般会員4名、研究所側からは、長瀬理事長、藤井事務局長及び研究員6名の、計10名の参加のもと、実施した。

 今回は「米早期警戒衛星とSEW情報」について概観しました。公開情報に基づく範囲ではありますが、米国の早期警戒衛星の概要・動向と、探知以降の様々な制約のもとで米国から配布させれてくるSEW情報の、具体的な内容/系統(流れ)について、整理し報告をしました。
 以下に、会議での説明・議論のポイントを載せます。

 *****

 早期警戒衛星については、打ち上げは終了しているものの、20年近く現役で残る一部のDSP衛星、その後継として運用中のSBIRS衛星の保有する高い性能(推定)、そしてそれに代わって2025年から打上げが開始されるNG-OPIR衛星の推定機能/性能などを知ることで、改めて米国の実力に感心させられましたが、赤外線領域の観測では、我が国も気象衛星ひまわり8・9号で劣らない実績を有しており、その比較が話題となりました。
なお、見落とせないポイントは、ウクライナ戦争でのSTARLINKなどの活躍に後を押され、開発対象に取り上げられているPWSAのような低軌道配備の複数衛星群(コンステレーション)だけではなく、実は、従来の延長線上とされるNG-OPIRプログラムが、宇宙軍(USSF)のもとで、運用衛星群(GEO×3/HEO×2:約5.3B$)として調達が着実に進行していることでした。

 つぎに、ミサイル発射情報については、米国ではALERT情報、JTAGS情報、TACDRT情報の3種類が利用されています。一方、我が国は自前のセンサは保有せず、政府間協定のもとで、米国から同盟国向けにサニタイズされ限定された情報をSEW情報としてオフラインで受け取り、全国瞬時警報システム(Jアラート)などに利用しているにとどまっていることを確認しました。
しかし、このSEW情報も、あくまでも発射されたミサイルが弾道軌道を取るものとしてブースター燃焼終了後に出された計算結果であり、ここ数年来、話題となっている極超音速兵器など(初期こそ弾道軌道をとるものの、その後は機動するミサイル)には全く意味をもたなくなっていることを、あらためて確認しました。

 したがって、弾道ミサイル、極超音速兵器などが100機近く混在して来襲する実際の紛争においては、発射から約2分近い時間を経て入手されるSEW情報では、警報(パッシブ・ディフェンス)には使えるかもしれませんが、1秒※を争う迎撃(アクティブ・ディフンス)には役には立たず、リアクション時間に余裕がない我が国にとっては、米国のJTAGS情報のように、早期警戒衛星による探知情報を直接迎撃システへのキューイング(センサ・ツー・シュータ)し、一刻も早く探知・追尾し、最短時間で迎撃できるようにしなければならないとの認識を改めて共有しました。(※ミサイルは10マッハで約3.5km移動)

 このことは、反撃能力を行使するに臨んでも同様であり、敵による攻撃の特定を即時に自国で行えなければ、何を根拠に任務発動ができるのでしょうか?

*****

 次回第6回は、今回も準備しながら、時間の都合でさわりの紹介に留まってしまった、早期警戒の対象となる「中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル」を取り上げ、その深掘りに取り組みます。
2項の「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。

1.今回の実施内容:

  テーマ: ”米早期警戒衛星とSEW情報について”
     -米SEW情報に頼リすぎることの危うさ-
   日時/場所:8月 31日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
   主な内容:(以下のとおり)

2.第6回予定等:

  テーマ:”中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル”(仮)
ー早期警戒の対象となる脅威:我が国に向けられるミサイルー

   日時/場所:9月21日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
←今回は月末ではありません!!

  1. 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
  2. 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
  3. 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。

3.今後の計画等:

  原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
          ・第7回 10月26日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス

以上

発信日:2023年9月1日
内容:R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD

“R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内”

 第5回分科会(8/31)を、一般会員4名、研究所側からは、長瀬理事長、藤井事務局長及び研究員6名の、計10名の参加のもと、実施した。

 今回は「米早期警戒衛星とSEW情報」について概観しました。公開情報に基づく範囲ではありますが、米国の早期警戒衛星の概要・動向と、探知以降の様々な制約のもとで米国から配布させれてくるSEW情報の、具体的な内容/系統(流れ)について、整理し報告をしました。
 以下に、会議での説明・議論のポイントを載せます。

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 早期警戒衛星については、打ち上げは終了しているものの、20年近く現役で残る一部のDSP衛星、その後継として運用中のSBIRS衛星の保有する高い性能(推定)、そしてそれに代わって2025年から打上げが開始されるNG-OPIR衛星の推定機能/性能などを知ることで、改めて米国の実力に感心させられましたが、赤外線領域の観測では、我が国も気象衛星ひまわり8・9号で劣らない実績を有しており、その比較が話題となりました。
なお、見落とせないポイントは、ウクライナ戦争でのSTARLINKなどの活躍に後を押され、開発対象に取り上げられているPWSAのような低軌道配備の複数衛星群(コンステレーション)だけではなく、実は、従来の延長線上とされるNG-OPIRプログラムが、宇宙軍(USSF)のもとで、運用衛星群(GEO×3/HEO×2:約5.3B$)として調達が着実に進行していることでした。

 つぎに、ミサイル発射情報については、米国ではALERT情報、JTAGS情報、TACDRT情報の3種類が利用されています。一方、我が国は自前のセンサは保有せず、政府間協定のもとで、米国から同盟国向けにサニタイズされ限定された情報をSEW情報としてオフラインで受け取り、全国瞬時警報システム(Jアラート)などに利用しているにとどまっていることを確認しました。
しかし、このSEW情報も、あくまでも発射されたミサイルが弾道軌道を取るものとしてブースター燃焼終了後に出された計算結果であり、ここ数年来、話題となっている極超音速兵器など(初期こそ弾道軌道をとるものの、その後は機動するミサイル)には全く意味をもたなくなっていることを、あらためて確認しました。

 したがって、弾道ミサイル、極超音速兵器などが100機近く混在して来襲する実際の紛争においては、発射から約2分近い時間を経て入手されるSEW情報では、警報(パッシブ・ディフェンス)には使えるかもしれませんが、1秒※を争う迎撃(アクティブ・ディフンス)には役には立たず、リアクション時間に余裕がない我が国にとっては、米国のJTAGS情報のように、早期警戒衛星による探知情報を直接迎撃システへのキューイング(センサ・ツー・シュータ)し、一刻も早く探知・追尾し、最短時間で迎撃できるようにしなければならないとの認識を改めて共有しました。(※ミサイルは10マッハで約3.5km移動)

 このことは、反撃能力を行使するに臨んでも同様であり、敵による攻撃の特定を即時に自国で行えなければ、何を根拠に任務発動ができるのでしょうか?

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 次回第6回は、今回も準備しながら、時間の都合でさわりの紹介に留まってしまった、早期警戒の対象となる「中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル」を取り上げ、その深掘りに取り組みます。
2項の「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。

1.今回の実施内容:

  テーマ: ”米早期警戒衛星とSEW情報について”
     -米SEW情報に頼リすぎることの危うさ-
   日時/場所:8月 31日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
   主な内容:(以下のとおり)

2.第6回予定等:

  テーマ:”中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル”(仮)
ー早期警戒の対象となる脅威:我が国に向けられるミサイルー

   日時/場所:9月21日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
←今回は月末ではありません!!

  1. 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
  2. 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
  3. 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。

3.今後の計画等:

  原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
          ・第7回 10月26日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス

以上