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MD分科会からのお知らせ MD#06_40

内容:R7第5回分科会の実施報告と次回分科会のご案内
発信日:令和7年10月1日
発信者:分科会幹事代表 三堀 隆(主席研究員)

"MD分科会 R7第4回の実施報告と次回予定等"

  今回は、一般会員7名並びに、研究所側からは長瀬理事、肥田木事務局長及び研究員4名の、計11名の参加で実施しました。


  今回は、引き続き「Golden Dome for America(以下、GD4A)」を取り上げました。前回時間の都合でカバーできなかった分を含め、最新(?)情報を踏まえた更新編として実施しました。

  GD4Aプロジェクトは、米政府(国防総省)の関係者に箝口令が出されたため、残念ながら具体的な内容は現時点でも明らかにはなっていません。

  ただ、前回の講義でも取り上げたGD4AのPMであるマイケル・グゥトライン(Michael Guetlein) 大将によるプロジェクトへの取り組みの考え方などは広い意味での透明性確保の観点から公開されており、大変参考になります。
また、前回は2026年度米防衛宇宙予算等を参考に、主に宇宙配備型センサ群の構成を推測することにチャレンジをしました。結果、移動目標探知(G/AMTI)センサが宇宙配備として、早期警戒・追跡センサに加えられる見通しであり、GD4Aの宇宙配備センサ群に組み込まれる可能性について指摘を行いました。

しかし、 本丸とも言える宇宙配備型迎撃システム(Space-Based Interceptors:SpBI)については、現状の公開情報だけでは推測しにくく、前回はFOBS(Fractional Orbital Bombardment System)との比較を行い、その「発射前攻撃」での諸要件の類似性を取り上げるに留まっていました。

  今回は、 改めて宇宙配備型迎撃システムについて、その構成の検討にチャレンジすべく、2025年8月27日にMDAAが主催した「82nd Congressional Roundtable Virtual Event:”Space Based Interceptors”」を取り上げ、議論を行いました。この会議では、MDAA会長のRiki Ellison氏をファシリテータとして、Michael Griffin博士(1)、Lisa Porter博士(2)、John Rood氏(3)が、まさに、GD4Aプロジェクトの 宇宙配備型迎撃システムがどうなるかについて議論を行っており、大変参考となりました。

(1) Michael Griffin博士:第1期トランプ政権下で国防次官(研究・工学担当)、SDA創設とそのNDSA(現PWSA)の構築を主導[2018–2020]、NASA長官[2005–2009]。
(2) Lisa Porter博士:国防副次官(研究・工学担当)[2018–2020]
(3) John Rood氏:第1期トランプ政権下で国防次官(政策担当)[2018–2020]

  このMDAA会議に興味のある方は、以下のURLをご参考ください。

MDAA Alert: Space Based Interceptors (Highlights and Transcript) – Missile Defense Advocacy Alliance
https://missiledefenseadvocacy.org/alert/mdaa-alert-space-based-interceptors-highlights-and-transcript/

  その他、GD4Aプロジェクトについては関係者が異口同音に、その重要性を指摘している、C2ネットワーク・システムについて、今年の1月23日にトランプ大統領がソフトバンク、OpenAI、Oracleのトップとともに発表した”Stargate Project”を取り上げ、GD4Aとの関係についての考察を行いました。(内容は省略します。)

以上


1.今回の実施内容:

    ■ テーマ:「”Golden Dome for America”の最新情報!」

    ■ 講師: 三堀 隆(JISS 主席研究員) 

    ■ 日時/場所:  9月25日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス

    ■内容:

      • ⅰ 宇宙配備型迎撃システムについて,
         =Dr. Griffin、Dr. Porter、Mr. Roodと語る宇宙配備インターセプタ=

        ■Riki Ellison氏(MDAA代表)による冒頭発言
         ・ミサイル防衛にとって歴史的な一年
         ・北米防衛司令部(NORTHCOM)と宇宙軍(SPACECOM)の役割分担
         ・インド太平洋軍(INDOPACOM)の認識

        ■Dr. Lisa Porter
         ・完全自律分散型C2の必要性
         ・国防総省の動き

        ■Dr. Michael Griffin
         ・宇宙配備インターセプタ(全体像)
          ◎ブースト段階の迎撃の困難さ:
          ◎ミッドコース段階:最も困難な課題は?
          ◎HGVの迎撃
         ・デブリ発生への懸念と現実論

        ■Mr. John Rood
         ・AI・自律化・小型衛星技術の進展
         ・段階的実証の推進

      • ⅱ GD4Aと深く関連する?AIインフラ構築プロジェクト”Stargate Project”
         ・GD4Aアーキテクチャが求める先端インフラ技術

2.次回予定等:

    ■ 10月度の分科会は、他の行事の関係で実施しません。
      次回は11月27日(木)の予定(内容等は調整中)です。

以上