MD研究会からのお知らせ MD#18
発信日:2023年9月22日
内容:R5第6回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第6回分科会の実施報告と次回のご案内”
第6回分科会(9/21)を、一般会員1名、研究所側からは藤井事務局長及び研究員4名、計5名の参加のもと、以下の通り実施しました。
*****
今回は、「中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル」を取り上げました。前回の「米早期警戒衛星とSEW情報」を受ける形で、我が国が「早期警戒」として、監視の対象とすべき「ミサイル及びその発射地点とは?」という質問に、対応しようとするものです。
「脅威ミサイル」や「ミサイル発射基地」については、研究報告(#1,#2)でも、その概要を紹介していますが、今回の分科会の報告では、昨年10月に発表され、最近マスコミで話題となっている、米国空軍省のシンクタンク中国航空宇宙研究所( CASI )発表の「PLA Rocket Force Organuzation(中共ロケット軍の組織)」に主に基づき、その位置/配備ミサイル(推定)のより具体化を図りました。また、取り上げた主な対象ミサイルの諸元についても、基本的には米戦略国際問題研究所(CSIS)のMissile Threatプロジェクトに掲載されているものを参考にしましたが、最新の公開情報で補足し、分析をアップデートしました。
会議の冒頭では、前回の「SEW情報に頼りすぎることの危うさ」についての振り返りで、現在利用しているSEW情報では、様々な制約があるうえ、原理的に情報入手までの時間遅れは避けられないため、我が国としての迎撃・反撃に間に合わないことを再確認しました。
また、その具体的な対策については、もちろん宇宙配備の早期ミサイル発射探知システムが必要であることは当然ですが、ミサイル発射探知すら未だに米国依存から全く抜け出ることができない政府・防衛省の姿勢を考えると、まずは逆説的に米軍がCueing情報としているJTAGS情報を我が国のミサイル防衛システムに常時入力させるようにすべきとの意見がでるなど、大いに議論が盛り上がりました。
今回取り上げた脅威の中核である中共火箭軍(PLARF)は、2015年末の中共軍の再編にあたり、いわゆる陸海空三軍に並ぶものに昇格した軍種です。その中で今回焦点をあてたのは、日本を対象としているとされる北部戦区瀋陽に司令部を置く65基地と東部戦区黄山に司令部を置く61基地のミサイル部隊です。細部は、ここでは省略しますが、これらに関する最新の情報をもとにした検討でいくつかの気付きがありました。なお、今回の検討結果のポイントは次のとおりです。
- 想定される先制飽和攻撃に対して、ターミナル段階での迎撃には制限があり、AEGIS艦によるミッドコース段階での迎撃が「要」。
- しかし、ミッドコース段階での対応では、現状は極超音速兵器の能力が勝り対処は困難。対処兵器の改良/開発が必要。
- 防衛計画の目標として2027年を見据えた場合、対処兵器については残念ながら実現できることは限定される。
想定される脅威ミサイル全体を考えた場合、弾道ミサイル、巡航ミサイル等への対処には現有能力の延長で対応が可能ですが、極超音速脅威への対処には、SM-6改/GPIの導入が急がれます。しかし、GPI開発は2032年にようやく実証完了となる計画であり、全くタイミングが合っていません。 - いすれにしても、ミッドコース段階は、AEGIS艦による脅威ミサイルの対処が前提。そのAEGISシステムの探知・追尾能力の最大限発揮には、ミサイル発射探知情報をCueingに使い、レーダ・リソース・マネジメントを最適化することが不可欠。
*****
次回第7回は、8月31日に公表された「令和6年度概算要求」を取り上げます。昨年末の新防衛3文書を受けての要求であり、果たして、スタンド・オフ防衛能力やミサイル防衛能力についての具体的な要求はどうなったでしょうか?、新たな目玉は?など、チェックする項目は多いと思います。
現時点での計画を2項「次回予定等」に載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”中共火箭軍(PLARF)と主な保有ミサイル”
-我が国に向けられるミサイル-
日時/場所:9月21日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- 中共火箭軍(PLARF) と主な保有ミサイル
・中共軍の指揮系統
・PLARFの主要基地の配置
・ミサイル部隊の構成
・PLARFの主な保有ミサイルの諸元
・対処上の課題:まずは「ミッドコース・ミサイル防衛」としての統合
・614旅団/655旅団からのミサイル攻撃(概念) - まとめ
-早期警戒衛星保有の必要性
2.第7回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第8回 11月30日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:2023年9月22日
内容:R5第6回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第6回分科会の実施報告と次回のご案内”
第6回分科会(9/21)を、一般会員1名、研究所側からは藤井事務局長及び研究員4名、計5名の参加のもと、以下の通り実施しました。
*****
今回は、「中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル」を取り上げました。前回の「米早期警戒衛星とSEW情報」を受ける形で、我が国が「早期警戒」として、監視の対象とすべき「ミサイル及びその発射地点とは?」という質問に、対応しようとするものです。
「脅威ミサイル」や「ミサイル発射基地」については、研究報告(#1,#2)でも、その概要を紹介していますが、今回の分科会の報告では、昨年10月に発表され、最近マスコミで話題となっている、米国空軍省のシンクタンク中国航空宇宙研究所( CASI )発表の「PLA Rocket Force Organuzation(中共ロケット軍の組織)」に主に基づき、その位置/配備ミサイル(推定)のより具体化を図りました。また、取り上げた主な対象ミサイルの諸元についても、基本的には米戦略国際問題研究所(CSIS)のMissile Threatプロジェクトに掲載されているものを参考にしましたが、最新の公開情報で補足し、分析をアップデートしました。
会議の冒頭では、前回の「SEW情報に頼りすぎることの危うさ」についての振り返りで、現在利用しているSEW情報では、様々な制約があるうえ、原理的に情報入手までの時間遅れは避けられないため、我が国としての迎撃・反撃に間に合わないことを再確認しました。
また、その具体的な対策については、もちろん宇宙配備の早期ミサイル発射探知システムが必要であることは当然ですが、ミサイル発射探知すら未だに米国依存から全く抜け出ることができない政府・防衛省の姿勢を考えると、まずは逆説的に米軍がCueing情報としているJTAGS情報を我が国のミサイル防衛システムに常時入力させるようにすべきとの意見がでるなど、大いに議論が盛り上がりました。
今回取り上げた脅威の中核である中共火箭軍(PLARF)は、2015年末の中共軍の再編にあたり、いわゆる陸海空三軍に並ぶものに昇格した軍種です。その中で今回焦点をあてたのは、日本を対象としているとされる北部戦区瀋陽に司令部を置く65基地と東部戦区黄山に司令部を置く61基地のミサイル部隊です。細部は、ここでは省略しますが、これらに関する最新の情報をもとにした検討でいくつかの気付きがありました。なお、今回の検討結果のポイントは次のとおりです。
- 想定される先制飽和攻撃に対して、ターミナル段階での迎撃には制限があり、AEGIS艦によるミッドコース段階での迎撃が「要」。
- しかし、ミッドコース段階での対応では、現状は極超音速兵器の能力が勝り対処は困難。対処兵器の改良/開発が必要。
- 防衛計画の目標として2027年を見据えた場合、対処兵器については残念ながら実現できることは限定される。
想定される脅威ミサイル全体を考えた場合、弾道ミサイル、巡航ミサイル等への対処には現有能力の延長で対応が可能ですが、極超音速脅威への対処には、SM-6改/GPIの導入が急がれます。しかし、GPI開発は2032年にようやく実証完了となる計画であり、全くタイミングが合っていません。 - いすれにしても、ミッドコース段階は、AEGIS艦による脅威ミサイルの対処が前提。そのAEGISシステムの探知・追尾能力の最大限発揮には、ミサイル発射探知情報をCueingに使い、レーダ・リソース・マネジメントを最適化することが不可欠。
*****
次回第7回は、8月31日に公表された「令和6年度概算要求」を取り上げます。昨年末の新防衛3文書を受けての要求であり、果たして、スタンド・オフ防衛能力やミサイル防衛能力についての具体的な要求はどうなったでしょうか?、新たな目玉は?など、チェックする項目は多いと思います。
現時点での計画を2項「次回予定等」に載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”中共火箭軍(PLARF)と主な保有ミサイル”
-我が国に向けられるミサイル-
日時/場所:9月21日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- 中共火箭軍(PLARF) と主な保有ミサイル
・中共軍の指揮系統
・PLARFの主要基地の配置
・ミサイル部隊の構成
・PLARFの主な保有ミサイルの諸元
・対処上の課題:まずは「ミッドコース・ミサイル防衛」としての統合
・614旅団/655旅団からのミサイル攻撃(概念) - まとめ
-早期警戒衛星保有の必要性
2.第7回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第8回 11月30日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:2023年9月1日
内容:R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内”
第5回分科会(8/31)を、一般会員4名、研究所側からは、長瀬理事長、藤井事務局長及び研究員6名の、計10名の参加のもと、実施した。
今回は「米早期警戒衛星とSEW情報」について概観しました。公開情報に基づく範囲ではありますが、米国の早期警戒衛星の概要・動向と、探知以降の様々な制約のもとで米国から配布させれてくるSEW情報の、具体的な内容/系統(流れ)について、整理し報告をしました。
以下に、会議での説明・議論のポイントを載せます。
*****
早期警戒衛星については、打ち上げは終了しているものの、20年近く現役で残る一部のDSP衛星、その後継として運用中のSBIRS衛星の保有する高い性能(推定)、そしてそれに代わって2025年から打上げが開始されるNG-OPIR衛星の推定機能/性能などを知ることで、改めて米国の実力に感心させられましたが、赤外線領域の観測では、我が国も気象衛星ひまわり8・9号で劣らない実績を有しており、その比較が話題となりました。
なお、見落とせないポイントは、ウクライナ戦争でのSTARLINKなどの活躍に後を押され、開発対象に取り上げられているPWSAのような低軌道配備の複数衛星群(コンステレーション)だけではなく、実は、従来の延長線上とされるNG-OPIRプログラムが、宇宙軍(USSF)のもとで、運用衛星群(GEO×3/HEO×2:約5.3B$)として調達が着実に進行していることでした。
つぎに、ミサイル発射情報については、米国ではALERT情報、JTAGS情報、TACDRT情報の3種類が利用されています。一方、我が国は自前のセンサは保有せず、政府間協定のもとで、米国から同盟国向けにサニタイズされ限定された情報をSEW情報としてオフラインで受け取り、全国瞬時警報システム(Jアラート)などに利用しているにとどまっていることを確認しました。
しかし、このSEW情報も、あくまでも発射されたミサイルが弾道軌道を取るものとしてブースター燃焼終了後に出された計算結果であり、ここ数年来、話題となっている極超音速兵器など(初期こそ弾道軌道をとるものの、その後は機動するミサイル)には全く意味をもたなくなっていることを、あらためて確認しました。
したがって、弾道ミサイル、極超音速兵器などが100機近く混在して来襲する実際の紛争においては、発射から約2分近い時間を経て入手されるSEW情報では、警報(パッシブ・ディフェンス)には使えるかもしれませんが、1秒※を争う迎撃(アクティブ・ディフンス)には役には立たず、リアクション時間に余裕がない我が国にとっては、米国のJTAGS情報のように、早期警戒衛星による探知情報を直接迎撃システへのキューイング(センサ・ツー・シュータ)し、一刻も早く探知・追尾し、最短時間で迎撃できるようにしなければならないとの認識を改めて共有しました。(※ミサイルは10マッハで約3.5km移動)
このことは、反撃能力を行使するに臨んでも同様であり、敵による攻撃の特定を即時に自国で行えなければ、何を根拠に任務発動ができるのでしょうか?
*****
次回第6回は、今回も準備しながら、時間の都合でさわりの紹介に留まってしまった、早期警戒の対象となる「中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル」を取り上げ、その深掘りに取り組みます。
2項の「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”米早期警戒衛星とSEW情報について”
-米SEW情報に頼リすぎることの危うさ-
日時/場所:8月 31日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- ミサイル防衛における早期警戒衛星(OPIR)
-現状の米国宇宙アセット
-米国の動向
-気象衛星ひまわり8・9号
-米国DSP/SBIRSと気象衛星とのセンサ比較 - 米「早期警戒」情報の整理
-各「早期警戒」情報の特徴
-各「早期警戒」情報の流れ
-米SEW情報の制約(まとめ)
2.第6回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第7回 10月26日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:2023年9月1日
内容:R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第5回分科会の実施報告と次回のご案内”
第5回分科会(8/31)を、一般会員4名、研究所側からは、長瀬理事長、藤井事務局長及び研究員6名の、計10名の参加のもと、実施した。
今回は「米早期警戒衛星とSEW情報」について概観しました。公開情報に基づく範囲ではありますが、米国の早期警戒衛星の概要・動向と、探知以降の様々な制約のもとで米国から配布させれてくるSEW情報の、具体的な内容/系統(流れ)について、整理し報告をしました。
以下に、会議での説明・議論のポイントを載せます。
*****
早期警戒衛星については、打ち上げは終了しているものの、20年近く現役で残る一部のDSP衛星、その後継として運用中のSBIRS衛星の保有する高い性能(推定)、そしてそれに代わって2025年から打上げが開始されるNG-OPIR衛星の推定機能/性能などを知ることで、改めて米国の実力に感心させられましたが、赤外線領域の観測では、我が国も気象衛星ひまわり8・9号で劣らない実績を有しており、その比較が話題となりました。
なお、見落とせないポイントは、ウクライナ戦争でのSTARLINKなどの活躍に後を押され、開発対象に取り上げられているPWSAのような低軌道配備の複数衛星群(コンステレーション)だけではなく、実は、従来の延長線上とされるNG-OPIRプログラムが、宇宙軍(USSF)のもとで、運用衛星群(GEO×3/HEO×2:約5.3B$)として調達が着実に進行していることでした。
つぎに、ミサイル発射情報については、米国ではALERT情報、JTAGS情報、TACDRT情報の3種類が利用されています。一方、我が国は自前のセンサは保有せず、政府間協定のもとで、米国から同盟国向けにサニタイズされ限定された情報をSEW情報としてオフラインで受け取り、全国瞬時警報システム(Jアラート)などに利用しているにとどまっていることを確認しました。
しかし、このSEW情報も、あくまでも発射されたミサイルが弾道軌道を取るものとしてブースター燃焼終了後に出された計算結果であり、ここ数年来、話題となっている極超音速兵器など(初期こそ弾道軌道をとるものの、その後は機動するミサイル)には全く意味をもたなくなっていることを、あらためて確認しました。
したがって、弾道ミサイル、極超音速兵器などが100機近く混在して来襲する実際の紛争においては、発射から約2分近い時間を経て入手されるSEW情報では、警報(パッシブ・ディフェンス)には使えるかもしれませんが、1秒※を争う迎撃(アクティブ・ディフンス)には役には立たず、リアクション時間に余裕がない我が国にとっては、米国のJTAGS情報のように、早期警戒衛星による探知情報を直接迎撃システへのキューイング(センサ・ツー・シュータ)し、一刻も早く探知・追尾し、最短時間で迎撃できるようにしなければならないとの認識を改めて共有しました。(※ミサイルは10マッハで約3.5km移動)
このことは、反撃能力を行使するに臨んでも同様であり、敵による攻撃の特定を即時に自国で行えなければ、何を根拠に任務発動ができるのでしょうか?
*****
次回第6回は、今回も準備しながら、時間の都合でさわりの紹介に留まってしまった、早期警戒の対象となる「中共火箭軍(PLARF)とその主な保有ミサイル」を取り上げ、その深掘りに取り組みます。
2項の「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”米早期警戒衛星とSEW情報について”
-米SEW情報に頼リすぎることの危うさ-
日時/場所:8月 31日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- ミサイル防衛における早期警戒衛星(OPIR)
-現状の米国宇宙アセット
-米国の動向
-気象衛星ひまわり8・9号
-米国DSP/SBIRSと気象衛星とのセンサ比較 - 米「早期警戒」情報の整理
-各「早期警戒」情報の特徴
-各「早期警戒」情報の流れ
-米SEW情報の制約(まとめ)
2.第6回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第7回 10月26日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:2023年7月28日
内容:R5第4回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第3回分科会の実施報告と次回のご案内”
第4回分科会(7/27)を、新規メンバーを含めた一般会員4名、研究所側からは、今津理事長、藤井事務局長、及び研究員4名の、計10名の参加のもと、実施した。
今回は「中共軍の軍事衛星開発動向」について、田中主任研究員から、プレゼンテーションが行われ、続いて活発な質疑/討議となった。一時間を超えるプレゼンは多岐にわたったが、主題である中共軍の宇宙利用は、今回の資料でも引用されている次の文章(Marcin Frąckiewicz氏)に整理される。
「結論として、中国軍は人民解放軍に監視と通信に必要な能力を提供するために、
(Marcin Frąckiewicz、’A Complete Guide to the Military Satellites of China and Their Capabilities’、 10 March 2023、https://ts2.space/en/a-complete-guide-to-the-military-satellites-of-china-and-their-capabilities/)
包括的な衛星のネットワークの開発に多額の投資を行ってきている。これらを構成する衛星には、
主に、偵察用の「遥感(Yaogan)」、航法用の「北斗(BeiDou)」、(データ中継)通信用の「天鏈(Tianlian)」、研究(応用)用の「実践(Shijian)」の4種類がある。
中国軍は、これらを連携し、世界を監視し、遠く離れた部隊と通信するための強力なツールを獲得しようとしている。」
講義ではその中でも特徴的な、特に偵察用とされる「遥感(Yaogan)衛星」を中心に説明が行われ、その基数、種類に改めて驚かされた。また、商用とされる吉林、高景衛星も紹介され、軍民融合への戦略的な取り組みも認識することができた。(細部は1項を参照方)また補足として、北朝鮮の偵察衛星発射場を例に解像度(空間分解能)の比較についても説明があった。
次回第5回は、ミサイル防衛における反撃能力の発揮にも大きな影響を与える「米早期警戒衛星とSEW情報について」を取り上げ、その深掘りに取り組みます。2項の「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”中共軍の軍事衛星開発動向”
日時/場所:7月 27日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- 軍事衛星の開発動向概要
■遥感(Yaogan)衛星
■吉林衛星
■高景衛星 - 北朝鮮の偵察衛星発射場における解像度(空間分解能)の比較
2.第5回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第6回 9月28日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:2023年7月28日
内容:R5第4回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第3回分科会の実施報告と次回のご案内”
第4回分科会(7/27)を、新規メンバーを含めた一般会員4名、研究所側からは、今津理事長、藤井事務局長、及び研究員4名の、計10名の参加のもと、実施した。
今回は「中共軍の軍事衛星開発動向」について、田中主任研究員から、プレゼンテーションが行われ、続いて活発な質疑/討議となった。一時間を超えるプレゼンは多岐にわたったが、主題である中共軍の宇宙利用は、今回の資料でも引用されている次の文章(Marcin Frąckiewicz氏)に整理される。
「結論として、中国軍は人民解放軍に監視と通信に必要な能力を提供するために、
(Marcin Frąckiewicz、’A Complete Guide to the Military Satellites of China and Their Capabilities’、 10 March 2023、https://ts2.space/en/a-complete-guide-to-the-military-satellites-of-china-and-their-capabilities/)
包括的な衛星のネットワークの開発に多額の投資を行ってきている。これらを構成する衛星には、
主に、偵察用の「遥感(Yaogan)」、航法用の「北斗(BeiDou)」、(データ中継)通信用の「天鏈(Tianlian)」、研究(応用)用の「実践(Shijian)」の4種類がある。
中国軍は、これらを連携し、世界を監視し、遠く離れた部隊と通信するための強力なツールを獲得しようとしている。」
講義ではその中でも特徴的な、特に偵察用とされる「遥感(Yaogan)衛星」を中心に説明が行われ、その基数、種類に改めて驚かされた。また、商用とされる吉林、高景衛星も紹介され、軍民融合への戦略的な取り組みも認識することができた。(細部は1項を参照方)また補足として、北朝鮮の偵察衛星発射場を例に解像度(空間分解能)の比較についても説明があった。
次回第5回は、ミサイル防衛における反撃能力の発揮にも大きな影響を与える「米早期警戒衛星とSEW情報について」を取り上げ、その深掘りに取り組みます。2項の「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”中共軍の軍事衛星開発動向”
日時/場所:7月 27日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- 軍事衛星の開発動向概要
■遥感(Yaogan)衛星
■吉林衛星
■高景衛星 - 北朝鮮の偵察衛星発射場における解像度(空間分解能)の比較
2.第5回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。次々回の予定は以下の通り。
・第6回 9月28日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:2023年6月30日
内容:R5第3回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第3回分科会の実施報告と次回のご案内”(次回開催日訂正版)
第3回分科会(6/29)を実施しました。今回は、一般会員としては新規メンバーを含め5名、研究所側からは、西副会長、今津理事長、長瀬理事、藤井事務局長、及び研究員4名の、計13名の参加をえました。
今回の分科会は、米国のインテリジェンス・コミュニティの動向に注目し、今年(5/21-24)米国ミズーリ州セントルイスで開催された実施されたGEOINTシンポジウムを中心に、神山政策研究員から調査報告を実施しました。報告では、シンポジウムでの米政府高官の基調報告の紹介だけではなく、昨年度シンポジウムとの比較がなされ、最近のICの動向(以下)に理解が深まったと考えます。
・GEOINT分野でも中国に対抗する動きが一気に加速している。
・日本でも商業宇宙の利用が注目されているが、単純に民間を使えばよいという発想は駄目。
「宇宙の平和利用原則」以降の失われた50年を反省して、背骨のある宇宙安全保障構想を構築することが肝要。
・宇宙安全保障利用では、センサの多様化、データ量の膨大化が必至、その処理にはAI/ML、Cloud技術が不可欠
また、今回発表では、上述の米国動向の調査結果に加え、その内容を踏まえて、「我が国を振り返った際の、宇宙安全保障における課題」(以下)をしっかりと提示いただき、全員で議論できたことは大変有意義でした。
議論の内容は本紙では省略しますが、MD研究会としては、「課題❷ 27年までの短期的戦略」の検討を実施したいと考えます。
・米国は、長年の蓄積による米国宇宙軍の宇宙安全保障プラットフォームを既に構築
:PWSAはあくまでも次世代LEOプラットフォーム、既存のGEO、MEOと共存が前提。システム全体は米軍が運用。
➡日本政府も、将来の目標として宇宙安全保障アーキテクチャーを示したが・・・
課題❶ 国防宇宙政策/国防宇宙戦略
課題❷ 27年までの短期的戦略が必要?(台湾有事/Gap)
課題❸ 政府全体で取り組べき課題
次回第4回は、GEOINTでもその動向に強く影響を与えている「(中国)中共軍の動向」について整理をしたいと思います。2項「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”GEOINT 2023 報告等を踏まえ、宇宙安全保障の課題を考える”
日時/場所:6月 29日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- 米国のインテリジェンスコミュニティ
- 米国宇宙軍/宇宙コマンド
- GEOINT2022 @ Aurora, CO
■主な基調講演等
・Lessons from Ukraine (ウクライナの教訓) 特殊作戦司令部司令官:Gen. Richard Clarke
・GEOINTはインテリジェンスの基礎 NGA長官:VADM. Robert Sharp
・The NGA Tech Focus Areas 米国国家情報副長官:Dr. Stacey Dixon
・米国政府の衛星画像等の公開判断について 国防次官(情報・安全保障担当)Ronald Moultrie
・宇宙軍は情報コミュニティーの18番目のメンバー 宇宙作戦副長官:Lt. Gen. Chance Saltzman
・NRO(国家偵察局)のオープン化 NRO 商業システムプログラムオフィス部長:Pete Muend
・サイバーセキュリティーの転換期 サイバー軍司令官:Gen. Paul Nakasone - GEOINT2023 @ St Louis, MO
■主な基調講演等
・国家情報長官(DNI) :アヴリル・ヘインズ長官
・国防総省CIO :ジョン・シャーマンCIO
・国家地理空間情報局長官(NGA):フランク・ウィットワース海軍中将
・討議「IC 商用画像と GEOINT プログラム」
-NGA 商業運用グループ ディレクター代理: Frank Avila
-NRO 商業システム プログラム オフィス ディレクター: Pete Muend
■Key Note講演と展示企業の動向からみた所見 - 安保3文書、宇宙安全保障構想を具現化する課題
2.第4回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
次回の予定は以下の通り。
・第5回 8月31日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
なお、原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。
以上
発信日:2023年6月30日
内容:R5第3回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
“R5第3回分科会の実施報告と次回のご案内”(次回開催日訂正版)
第3回分科会(6/29)を実施しました。今回は、一般会員としては新規メンバーを含め5名、研究所側からは、西副会長、今津理事長、長瀬理事、藤井事務局長、及び研究員4名の、計13名の参加をえました。
今回の分科会は、米国のインテリジェンス・コミュニティの動向に注目し、今年(5/21-24)米国ミズーリ州セントルイスで開催された実施されたGEOINTシンポジウムを中心に、神山政策研究員から調査報告を実施しました。報告では、シンポジウムでの米政府高官の基調報告の紹介だけではなく、昨年度シンポジウムとの比較がなされ、最近のICの動向(以下)に理解が深まったと考えます。
・GEOINT分野でも中国に対抗する動きが一気に加速している。
・日本でも商業宇宙の利用が注目されているが、単純に民間を使えばよいという発想は駄目。
「宇宙の平和利用原則」以降の失われた50年を反省して、背骨のある宇宙安全保障構想を構築することが肝要。
・宇宙安全保障利用では、センサの多様化、データ量の膨大化が必至、その処理にはAI/ML、Cloud技術が不可欠
また、今回発表では、上述の米国動向の調査結果に加え、その内容を踏まえて、「我が国を振り返った際の、宇宙安全保障における課題」(以下)をしっかりと提示いただき、全員で議論できたことは大変有意義でした。
議論の内容は本紙では省略しますが、MD研究会としては、「課題❷ 27年までの短期的戦略」の検討を実施したいと考えます。
・米国は、長年の蓄積による米国宇宙軍の宇宙安全保障プラットフォームを既に構築
:PWSAはあくまでも次世代LEOプラットフォーム、既存のGEO、MEOと共存が前提。システム全体は米軍が運用。
➡日本政府も、将来の目標として宇宙安全保障アーキテクチャーを示したが・・・
課題❶ 国防宇宙政策/国防宇宙戦略
課題❷ 27年までの短期的戦略が必要?(台湾有事/Gap)
課題❸ 政府全体で取り組べき課題
次回第4回は、GEOINTでもその動向に強く影響を与えている「(中国)中共軍の動向」について整理をしたいと思います。2項「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”GEOINT 2023 報告等を踏まえ、宇宙安全保障の課題を考える”
日時/場所:6月 29日(木) 15:00-17:00 @JISSオフィス
主な内容:(以下のとおり)
- 米国のインテリジェンスコミュニティ
- 米国宇宙軍/宇宙コマンド
- GEOINT2022 @ Aurora, CO
■主な基調講演等
・Lessons from Ukraine (ウクライナの教訓) 特殊作戦司令部司令官:Gen. Richard Clarke
・GEOINTはインテリジェンスの基礎 NGA長官:VADM. Robert Sharp
・The NGA Tech Focus Areas 米国国家情報副長官:Dr. Stacey Dixon
・米国政府の衛星画像等の公開判断について 国防次官(情報・安全保障担当)Ronald Moultrie
・宇宙軍は情報コミュニティーの18番目のメンバー 宇宙作戦副長官:Lt. Gen. Chance Saltzman
・NRO(国家偵察局)のオープン化 NRO 商業システムプログラムオフィス部長:Pete Muend
・サイバーセキュリティーの転換期 サイバー軍司令官:Gen. Paul Nakasone - GEOINT2023 @ St Louis, MO
■主な基調講演等
・国家情報長官(DNI) :アヴリル・ヘインズ長官
・国防総省CIO :ジョン・シャーマンCIO
・国家地理空間情報局長官(NGA):フランク・ウィットワース海軍中将
・討議「IC 商用画像と GEOINT プログラム」
-NGA 商業運用グループ ディレクター代理: Frank Avila
-NRO 商業システム プログラム オフィス ディレクター: Pete Muend
■Key Note講演と展示企業の動向からみた所見 - 安保3文書、宇宙安全保障構想を具現化する課題
2.第4回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画等:
次回の予定は以下の通り。
・第5回 8月31日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
なお、原則毎月月末の木曜日に開催することで、運営しておりますので、ご参考ください。
以上
発信日:令和5年5月25日
内容:R5第2回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"R5第2回分科会の実施報告と次回のご案内"
第2回分科会(5/24)を実施しました。今回、外部からは、特別ゲストに防大名誉教授 森下 久氏をお迎えし、一般会員としては、新規会員を含め、3名の皆様に参加いただきました。研究所側からは、MD研究会の研究員に加え、今津理事長を始め、長瀬理事の参加を得て実施できました。
今回のテーマは、前回の分科会の内容(米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”)と関連が深いので、まず振り返りとして、CSISウォーゲームの基本シナリオを再度取り上げて、「戦闘はどのように展開したのか」を改めて概観しました。前回は時間の関係で十分議論できなかった「CSISのWarGame論文をどう読むか?」についても説明し、特に我が国も、「電撃的な先制ミサイル攻撃」に備えた準備(宇宙ISRシステムを含む)が必要との見解を共有いただけたと考えます。
さて本題の中共軍の「A2/AD戦略」については、A2を本土統合防空、ADを戦略火力投射として中共軍の戦略を整理しました。細部としては、時間の都合上、対空ミサイルシステムが中心となりましたが、全体を通じてポイントとなる箇所には、現在中共軍が主力としている兵器の具体名等を挙げておきましたので、確認いただければと思います。
なお、今回の説明では、A2/AD戦略の中核である中共軍IADSは「階層化・縦深化・統合化」と特徴とするとまとめました。すなわち、センサ/プラットフォームについては、宇宙・空・海・陸各々に、その特徴を活かした見通し外・長距離・中距離をカバーするシステムを配備し、それらを衛星等を活用した戦術データリンクで連接して統合的に運用することを戦略構想とし、中共軍は各種装備の開発・導入(戦略)を行っていると分析しました。もちろん、この目標は、米軍も目指しているものであり、決して簡単ではなく、実戦に近い様々な訓練/演習を通じて錬成されていくものでしょうが、目標が明確である分、決して侮れないものと考えます。
さらに今回は、電磁波/アンテナが御専門の森下防大名誉教授にも参加いただいたので、今回のテーマの一つでもある、中共軍のSAM/レーダサイトをGoogle Earth Proを使って探索してみることにしました。台湾海峡に面した沿岸域に多数配置されたS-300PMU2や警戒監視レーダの様子をつぶさに見るとともに、特徴的な長距離レーダ(OTHレーダ、PバンドLPAR、XバンドLPAR)の配置、外見等を確認し、話題がつきませんでした。
次回は、5/21-24にかけて米国ミズーリ州セントルイスで開催されたGEOINT 2023 シンポジウムからの最新情報をお届けできればと考えています。昨年度のGEOINT 2022の状況については、昨年の分科会で報告し、また研究レポート2022にて会員の皆様にご紹介したところですが、果たして今年はどのような内容が報告されたのか楽しみです。
2項「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”中共軍の「A2/AD戦略」”
日時/場所:5月 24日(木) 15:30-17:30 @JISSオフィス
内容:(以下のとおり)
- CSIS台湾侵攻ウォーゲーム(前回の振り返り)
…我々として、CSISのWarGame論文をどう読むか? - 中共軍のA2/AD戦略
■本土統合防空
・中共軍の統合防空システム(IADS)
・各種システム:S-300,S-400、HQ-9、KLJ-500
■戦略火力投射
・弾道ミサイル/極超音速ミサイル:中共軍ロケット部隊
・通常型ミサイルの拡大する射程
■中共軍IADSの特徴(まとめ):階層・縦深・統合
・中共軍SAM/レーダサイト
・特徴のあるレーダサイト:OTHレーダ、LPAR
・戦域監視とターゲティングに使用される宇宙
・遥感30 ELINT戦域コンステレーション - 我が国に欠落している防衛宇宙システムのあるべき全体像の明確化(研究会の目標の共有)
2.第2回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画: 毎月月末の木曜日に開催することで、原則運営いたします。
・第4回 7月27日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
発信日:令和5年5月25日
内容:R5第2回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"R5第2回分科会の実施報告と次回のご案内"
第2回分科会(5/24)を実施しました。今回、外部からは、特別ゲストに防大名誉教授 森下 久氏をお迎えし、一般会員としては、新規会員を含め、3名の皆様に参加いただきました。研究所側からは、MD研究会の研究員に加え、今津理事長を始め、長瀬理事の参加を得て実施できました。
今回のテーマは、前回の分科会の内容(米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”)と関連が深いので、まず振り返りとして、CSISウォーゲームの基本シナリオを再度取り上げて、「戦闘はどのように展開したのか」を改めて概観しました。前回は時間の関係で十分議論できなかった「CSISのWarGame論文をどう読むか?」についても説明し、特に我が国も、「電撃的な先制ミサイル攻撃」に備えた準備(宇宙ISRシステムを含む)が必要との見解を共有いただけたと考えます。
さて本題の中共軍の「A2/AD戦略」については、A2を本土統合防空、ADを戦略火力投射として中共軍の戦略を整理しました。細部としては、時間の都合上、対空ミサイルシステムが中心となりましたが、全体を通じてポイントとなる箇所には、現在中共軍が主力としている兵器の具体名等を挙げておきましたので、確認いただければと思います。
なお、今回の説明では、A2/AD戦略の中核である中共軍IADSは「階層化・縦深化・統合化」と特徴とするとまとめました。すなわち、センサ/プラットフォームについては、宇宙・空・海・陸各々に、その特徴を活かした見通し外・長距離・中距離をカバーするシステムを配備し、それらを衛星等を活用した戦術データリンクで連接して統合的に運用することを戦略構想とし、中共軍は各種装備の開発・導入(戦略)を行っていると分析しました。もちろん、この目標は、米軍も目指しているものであり、決して簡単ではなく、実戦に近い様々な訓練/演習を通じて錬成されていくものでしょうが、目標が明確である分、決して侮れないものと考えます。
さらに今回は、電磁波/アンテナが御専門の森下防大名誉教授にも参加いただいたので、今回のテーマの一つでもある、中共軍のSAM/レーダサイトをGoogle Earth Proを使って探索してみることにしました。台湾海峡に面した沿岸域に多数配置されたS-300PMU2や警戒監視レーダの様子をつぶさに見るとともに、特徴的な長距離レーダ(OTHレーダ、PバンドLPAR、XバンドLPAR)の配置、外見等を確認し、話題がつきませんでした。
次回は、5/21-24にかけて米国ミズーリ州セントルイスで開催されたGEOINT 2023 シンポジウムからの最新情報をお届けできればと考えています。昨年度のGEOINT 2022の状況については、昨年の分科会で報告し、また研究レポート2022にて会員の皆様にご紹介したところですが、果たして今年はどのような内容が報告されたのか楽しみです。
2項「次回予定等」に現時点での計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.今回の実施内容:
テーマ: ”中共軍の「A2/AD戦略」”
日時/場所:5月 24日(木) 15:30-17:30 @JISSオフィス
内容:(以下のとおり)
- CSIS台湾侵攻ウォーゲーム(前回の振り返り)
…我々として、CSISのWarGame論文をどう読むか? - 中共軍のA2/AD戦略
■本土統合防空
・中共軍の統合防空システム(IADS)
・各種システム:S-300,S-400、HQ-9、KLJ-500
■戦略火力投射
・弾道ミサイル/極超音速ミサイル:中共軍ロケット部隊
・通常型ミサイルの拡大する射程
■中共軍IADSの特徴(まとめ):階層・縦深・統合
・中共軍SAM/レーダサイト
・特徴のあるレーダサイト:OTHレーダ、LPAR
・戦域監視とターゲティングに使用される宇宙
・遥感30 ELINT戦域コンステレーション - 我が国に欠落している防衛宇宙システムのあるべき全体像の明確化(研究会の目標の共有)
2.第2回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画: 毎月月末の木曜日に開催することで、原則運営いたします。
・第4回 7月27日(木)15:00-17:00 @JISSオフィス
以上
更新日:令和5年5月9日
内容:R5第1回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"R5第1回分科会の実施報告と次回のご案内"
本年度第1回分科会(4/27)を実施しました。今回、外部からは、特別ゲストに中国軍事問題研究家 田中三郎氏、一般会員から2名の皆様に参加いただきました。また、研究所側からは、MD研究会の研究員に加え、今津理事長を始め、長瀬理事、外園理事の参加を得て実施いたしました。
テーマの一つ目は、先般発表しました2022年度研究報告書【中間報告】から、その結論部分にあたる3章「インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用」を取り上げ、NATO、ロシア、中国の宇宙を利用したISR能力がどのように評価されているか、そして、戦闘の展開に影響を及ぼしているかについて、MD研究会の所見を紹介しました。
二つ目は、メディアでも報道され話題となっている「CSISの台湾侵攻ウォーゲーム」を取り上げ、そのなかで「戦闘はどのように展開したのか」 を読み解くことで、我々が対象とするミサイル攻撃の実相に迫ろうというものです。
我々の置かれている状況について、習近平の4期目の続投がかかる第21回党大会が開かれる2027年までに台湾併合への具体的な動きが生起する蓋然性は極めて高いこと、紛争対処にあたって正面となる米インド太平洋軍の前司令官のデイビッドソン元提督及び現司令官のアキリーノ提督が、今年に入ってからも、様々の機会に、具体的な時期こそ言及はしないものの、「脅威は増大し、間違った方向に進んでいる」との認識を異口同音に発言していること、また近年米国内は、議会、官民を問わず、大きく対中強硬姿勢のコンセンサスできあがりつつあり、様々な方面で最悪事態(中共軍の台湾への軍事侵攻)に備える動きが加速していることの認識を、参加者で共用できたと思います。
さらに、その一環として、一般においても広く議論をすることで最悪事態の抑止に向かってあるべき方向を模索するために、近年、今回のCSISウォーゲームの他にも、同種の研究が著名なシンクタンクから発表されていることを、我々も真剣に捉えるべきと考えます。
次に質問が集中したのは、やはりCSISウォーゲームの各論(中身)についてでした。まずは、軍事力の行使にまで至るのか、本当に日本の参戦はあるのかといった「政治的意思決定」などについての確認がまずありました。そのほか、両軍の能力レベル、兵器の有効性、ASATやサイバー戦への取組み方等についての質問もありました。しかし、これらはウォーゲームの目的を踏まえた前提条件として設定されているもので、シナリオで調整されるものとなっており、ゲーム進行における参加メンバの選択肢ではないことを説明しました。
これら議論を通じて、今回のウォーゲームの狙いは、中国の台湾侵攻の成否の評価とともに、設定条件を変えたゲーム(基本2+追加22シナリオ)を回した結果の差から、武力による台湾侵攻があった場合の被害を最小とするための、米国側の「政策、戦略、ドクトリン、軍備態勢、兵器、プラットフォーム」のあり方についての提言を導き、それらについての討論を促進するためのものであることを、理解いただけたものと思います。
今回の分科会も議論は尽きず、2時間を大きく超えることとなってしまいました。紹介したCSISウォーゲームでは、「台湾の防衛には成功するが、日米は航空機については約450機近くを失い(90%以上は地上で破壊)、さらに艦艇については、米空母2隻と戦艦約15隻、海自約25隻を失う」という大きな損失を受けることとなりました。あくまでもウォーゲームとしての一つの結果で未来を予想するものではありませんが、この結果にいたる背景には、今日まで中国が「国土防衛」という目標に向かって体系的に強化してきた「A2/AD態勢」と、我々がそれに真剣に向き合ってこなかった怠慢の結果としての現状とに圧倒的な差があることに、目を背けるわけには行きません。
次回は、この体系的に強化されてきた中共軍の「A2/AD態勢」をテーマに深掘りし、さらに議論を続けたいと考えてます。
つきましては、2項「次回予定等」に計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。
また、新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.第1回の実施内容:
テーマ: ”ミサイル攻撃の実相を探る”
日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
内容:・「インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用」(技術報告書【中間報告】3章の解説)
・米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”の紹介
■中共軍の台湾侵攻の時期?
■戦闘はどのように展開したのか -CSIS台湾侵攻ウォーゲーム:基本シナリオの展開
・【着上陸侵攻】(中国メディアが報じる基本的な3段階)
・【台湾主要施設へのミサイル攻撃・制空】
・【米空母打撃軍の壊滅】
・【米軍基地等への攻撃】
・【日本の参戦・反撃(スタンド・オフ防衛)能力】
■結果
・【米国の戦争、犠牲者数 ワースト10?】
■提言 -基本ケースの条件を変更した場合の影響
・「我が国に振り返った場合の示唆」
2.第2回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画: 毎月月末の木曜日に開催することで、原則運営いたします。
・第3回 6月29日(木)14:00-16:00 @JISSオフィス
以上
更新日:令和5年5月9日
内容:R5第1回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"R5第1回分科会の実施報告と次回のご案内"
本年度第1回分科会(4/27)を実施しました。今回、外部からは、特別ゲストに中国軍事問題研究家 田中三郎氏、一般会員から2名の皆様に参加いただきました。また、研究所側からは、MD研究会の研究員に加え、今津理事長を始め、長瀬理事、外園理事の参加を得て実施いたしました。
テーマの一つ目は、先般発表しました2022年度研究報告書【中間報告】から、その結論部分にあたる3章「インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用」を取り上げ、NATO、ロシア、中国の宇宙を利用したISR能力がどのように評価されているか、そして、戦闘の展開に影響を及ぼしているかについて、MD研究会の所見を紹介しました。
二つ目は、メディアでも報道され話題となっている「CSISの台湾侵攻ウォーゲーム」を取り上げ、そのなかで「戦闘はどのように展開したのか」 を読み解くことで、我々が対象とするミサイル攻撃の実相に迫ろうというものです。
我々の置かれている状況について、習近平の4期目の続投がかかる第21回党大会が開かれる2027年までに台湾併合への具体的な動きが生起する蓋然性は極めて高いこと、紛争対処にあたって正面となる米インド太平洋軍の前司令官のデイビッドソン元提督及び現司令官のアキリーノ提督が、今年に入ってからも、様々の機会に、具体的な時期こそ言及はしないものの、「脅威は増大し、間違った方向に進んでいる」との認識を異口同音に発言していること、また近年米国内は、議会、官民を問わず、大きく対中強硬姿勢のコンセンサスできあがりつつあり、様々な方面で最悪事態(中共軍の台湾への軍事侵攻)に備える動きが加速していることの認識を、参加者で共用できたと思います。
さらに、その一環として、一般においても広く議論をすることで最悪事態の抑止に向かってあるべき方向を模索するために、近年、今回のCSISウォーゲームの他にも、同種の研究が著名なシンクタンクから発表されていることを、我々も真剣に捉えるべきと考えます。
次に質問が集中したのは、やはりCSISウォーゲームの各論(中身)についてでした。まずは、軍事力の行使にまで至るのか、本当に日本の参戦はあるのかといった「政治的意思決定」などについての確認がまずありました。そのほか、両軍の能力レベル、兵器の有効性、ASATやサイバー戦への取組み方等についての質問もありました。しかし、これらはウォーゲームの目的を踏まえた前提条件として設定されているもので、シナリオで調整されるものとなっており、ゲーム進行における参加メンバの選択肢ではないことを説明しました。
これら議論を通じて、今回のウォーゲームの狙いは、中国の台湾侵攻の成否の評価とともに、設定条件を変えたゲーム(基本2+追加22シナリオ)を回した結果の差から、武力による台湾侵攻があった場合の被害を最小とするための、米国側の「政策、戦略、ドクトリン、軍備態勢、兵器、プラットフォーム」のあり方についての提言を導き、それらについての討論を促進するためのものであることを、理解いただけたものと思います。
今回の分科会も議論は尽きず、2時間を大きく超えることとなってしまいました。紹介したCSISウォーゲームでは、「台湾の防衛には成功するが、日米は航空機については約450機近くを失い(90%以上は地上で破壊)、さらに艦艇については、米空母2隻と戦艦約15隻、海自約25隻を失う」という大きな損失を受けることとなりました。あくまでもウォーゲームとしての一つの結果で未来を予想するものではありませんが、この結果にいたる背景には、今日まで中国が「国土防衛」という目標に向かって体系的に強化してきた「A2/AD態勢」と、我々がそれに真剣に向き合ってこなかった怠慢の結果としての現状とに圧倒的な差があることに、目を背けるわけには行きません。
次回は、この体系的に強化されてきた中共軍の「A2/AD態勢」をテーマに深掘りし、さらに議論を続けたいと考えてます。
つきましては、2項「次回予定等」に計画を載せておきますので、奮ってご参加いただければ幸甚です。
また、新規の参加者(会員)もウェルカムです。【コチラ】を参考にお申し込みください。
1.第1回の実施内容:
テーマ: ”ミサイル攻撃の実相を探る”
日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
内容:・「インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用」(技術報告書【中間報告】3章の解説)
・米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”の紹介
■中共軍の台湾侵攻の時期?
■戦闘はどのように展開したのか -CSIS台湾侵攻ウォーゲーム:基本シナリオの展開
・【着上陸侵攻】(中国メディアが報じる基本的な3段階)
・【台湾主要施設へのミサイル攻撃・制空】
・【米空母打撃軍の壊滅】
・【米軍基地等への攻撃】
・【日本の参戦・反撃(スタンド・オフ防衛)能力】
■結果
・【米国の戦争、犠牲者数 ワースト10?】
■提言 -基本ケースの条件を変更した場合の影響
・「我が国に振り返った場合の示唆」
2.第2回予定等:
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
3.今後の計画: 毎月月末の木曜日に開催することで、原則運営いたします。
・第3回 6月29日(木)14:00-16:00 @JISSオフィス
以上
発信日:令和5年4月3日
内容:R5第1回分科会のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"2023年度 第1回分科会のご案内と新規参加者募集"
昨年度から、ホームページを通しての発信、会員参加の促進に取り組むべく、一般会員にも参加を募っての分科会形式へと運営を変更しました。コロナ禍が収まらない中ではありましたが、正/賛助会員企業3社、個人1名の応募をえ、7月以降、月1回、計6回の分科会を開催できました。
また、活動内容に基づく研究報告についても、2022年度版は、研究テ-マ「ウクライナ侵攻と宇宙利用」についてとりまとめ、【中間報告】として発表することができました。皆様のご協力に、この紙面を借りて、深く御礼申し上げます。
さて、今年度の研究では、引き続き、同一テーマのもと、最新の安全保障環境の変化を反映し、この4年にわたる活動のとりまとめに取り組みたいと考えています。活動要領は、分科会方式、ホームページ、チャットツールの活用を継続いたします。
つきましては、以下1項のように新年度第1回分科会を計画いたしますので、ご参加いただければ幸甚です。
また、改めまして、分科会活動への参加者も募集いたしますので、希望の会員の皆様には是非奮ってご参加ください。(2項参照)
1.実施内容:
テーマ: ”迫りくる有事、ミサイル攻撃への備え”
日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
内容:・「インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用」(技術報告書【中間報告】3章の解説)
・CSIS発表の「中国による台湾侵攻のウォーゲーム」@20230109のポイント解説
-ウォーゲームの要点
-主なシナリオの概要と結果
-我が国として備えるべきこと
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
2.参加者募集
・応募資格:JISS会員
・締切:2023年4月20日(木)
・宛先:office@jiss.or.jp(新規に参加を希望される方は、募集要領の細部はコチラから)
3.次回計画:
・R5第2回 5月25日(木)14:00-16:00 @JISSオフィス
テーマ(内容)につきましては、あらためてご案内いたします。
以上
発信日:令和5年4月3日
内容:R5第1回分科会のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"2023年度 第1回分科会のご案内と新規参加者募集"
昨年度から、ホームページを通しての発信、会員参加の促進に取り組むべく、一般会員にも参加を募っての分科会形式へと運営を変更しました。コロナ禍が収まらない中ではありましたが、正/賛助会員企業3社、個人1名の応募をえ、7月以降、月1回、計6回の分科会を開催できました。
また、活動内容に基づく研究報告についても、2022年度版は、研究テ-マ「ウクライナ侵攻と宇宙利用」についてとりまとめ、【中間報告】として発表することができました。皆様のご協力に、この紙面を借りて、深く御礼申し上げます。
さて、今年度の研究では、引き続き、同一テーマのもと、最新の安全保障環境の変化を反映し、この4年にわたる活動のとりまとめに取り組みたいと考えています。活動要領は、分科会方式、ホームページ、チャットツールの活用を継続いたします。
つきましては、以下1項のように新年度第1回分科会を計画いたしますので、ご参加いただければ幸甚です。
また、改めまして、分科会活動への参加者も募集いたしますので、希望の会員の皆様には是非奮ってご参加ください。(2項参照)
1.実施内容:
テーマ: ”迫りくる有事、ミサイル攻撃への備え”
日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
内容:・「インテリジェンス・監視・偵察への宇宙利用」(技術報告書【中間報告】3章の解説)
・CSIS発表の「中国による台湾侵攻のウォーゲーム」@20230109のポイント解説
-ウォーゲームの要点
-主なシナリオの概要と結果
-我が国として備えるべきこと
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
2.参加者募集
・応募資格:JISS会員
・締切:2023年4月20日(木)
・宛先:office@jiss.or.jp(新規に参加を希望される方は、募集要領の細部はコチラから)
3.次回計画:
・R5第2回 5月25日(木)14:00-16:00 @JISSオフィス
テーマ(内容)につきましては、あらためてご案内いたします。
以上
発信日:令和5年3月17日
内容:第6回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"第6回分科会の実施報告と次回のご案内"
第6回分科会(3/16)を実施しました。今回は、昨年末発表された防衛3文書で、大きく取り上げられることとなった”弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合の反撃”に焦点をあて、討論を行いました。テーマ及びその(準備)内容は、1項のとおりです。ご参考ください。
さて、討議において、まず話題となったのは、統合防空ミサイル防衛(IAMD)でした。 一部には、広義に解釈し、ミサイル攻撃について迎撃と反撃を組み合わせて対応することをIAMDとするとの論もあり、定義が曖昧なままでも困るので、我々としても反撃をどう考えるのか、もしくはどう扱うかを議論しました。
分科会としては、防衛力整備計画の記述を参考に、「統合防空ミサイル防衛(IAMD)システムは、従来の対空(Air:航空機)、ミサイル(Missile:弾道、通常軌道、巡航低高度)迎撃システムを、新たな脅威(HGV等)にも柔軟に対応できるように、能力向上(LOR、EOR等)を図ったものを指す」と考えることとし、一方、反撃には、やはり整備計画に明記されたスタンド・オフ防衛能力等の別の武器体系が必要になるものとしました。言い換えると、統合防空ミサイル防衛能力で確実に迎撃して、スタンド・オフ防衛能力で即座に反撃するということです。
したがって、今回新たに加わったミッションである”反撃”には、統合防空ミサイル防衛とは違う検討が必要となりますが、名称に拘らず、「我々が対象としている安全保障のための宇宙システムの検討には、迎撃支援と同様に、反撃支援も含める」こととしました。以上、結論的には反撃も検討の対象とするという当たり前のこととなりましたが、一応このように整理を行いました。
次に話題となったのは、今回の防衛力整備計画に記載のスタンド・オフ防衛能力についてです。今回の反撃能力保有の政府決定は歴史的快挙ですが、例えば、2026年、27年とされる有事対処への具体的な期限を考えると、現時点では国産開発品は厳しいことは当然ながら、海外からの既存ミサイル購入についても、その数量確保は難しいのではとの意見が大勢を占め、調達を加速することの必要性を共通認識としました。
更に、反撃が発動される条件である我が国が弾道ミサイル等で攻撃を受ける場合についての議論、これも盛り上がりました。
特に、準備資料で一例として取り上げた、今年1月に「米シンクタンク CSISが発表した中国の”台湾侵攻ウォーゲーミング”」 に関連して、先制攻撃としての在日米軍基地を中心とした航空基地への攻撃が話題となり、結果として、その蓋然性が高いこと、迅速な対応を欠くと、当方の反撃作戦への大きな制約となりうることなどを確認しました。
なお、CSISのウォーゲーミングについては、ゲームのように我が国も参戦することになるのかどうかについての不安など、シナリオの具体的な内容についても、興味が多く示されました。
その他、内容の詳細は載せませんが、今回のテーマ「反撃」がホットであり、かつ従来は実質的にタブー視され、具体的に扱われることがほとんどなかったもののため、大いに議論がなされ、あっという間に2時間半が経ってしまいました。準備したプレゼン資料も半分程度を説明した段階でタイムオーバーとなり、最後のラップアップになんとか結論(論点)のページをねじ込む形となってしまいました。
次回の分科会については、テーマは未定(仮)ですが、4月には実施することを計画しており、予定を2項に載せておきますので、ご参考いただければ幸甚です。
1.実施内容:
テーマ:”「反撃!」”-スタンド・オフ防衛能力の整備と反撃作戦遂行のための要件-
[主な内容](以下は準備した内容であり、討議はすべてについて行われたものではありません)
■歴史的大転換:反撃能力の保有
・防衛力整備計画について
ー スタンド・オフ防衛能力
ー 統合防空ミサイル防衛能力
■迎撃+反撃:ミサイル防衛において我が国に欠落している宇宙システム
■戦闘の開始:先制攻撃
・例:米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”
□「弾道ミサイル等による攻撃」への反撃
□発動はSEW情報!?
■論点:宇宙利用なくして「反撃」なし
2.次回予定等:
【テーマ】 ”技術レポート【中間報告】から:宇宙利用への提言”(仮)
日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
以上
発信日:令和5年3月17日
内容:第6回分科会の実施報告と次回のご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"第6回分科会の実施報告と次回のご案内"
第6回分科会(3/16)を実施しました。今回は、昨年末発表された防衛3文書で、大きく取り上げられることとなった”弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合の反撃”に焦点をあて、討論を行いました。テーマ及びその(準備)内容は、1項のとおりです。ご参考ください。
さて、討議において、まず話題となったのは、統合防空ミサイル防衛(IAMD)でした。 一部には、広義に解釈し、ミサイル攻撃について迎撃と反撃を組み合わせて対応することをIAMDとするとの論もあり、定義が曖昧なままでも困るので、我々としても反撃をどう考えるのか、もしくはどう扱うかを議論しました。
分科会としては、防衛力整備計画の記述を参考に、「統合防空ミサイル防衛(IAMD)システムは、従来の対空(Air:航空機)、ミサイル(Missile:弾道、通常軌道、巡航低高度)迎撃システムを、新たな脅威(HGV等)にも柔軟に対応できるように、能力向上(LOR、EOR等)を図ったものを指す」と考えることとし、一方、反撃には、やはり整備計画に明記されたスタンド・オフ防衛能力等の別の武器体系が必要になるものとしました。言い換えると、統合防空ミサイル防衛能力で確実に迎撃して、スタンド・オフ防衛能力で即座に反撃するということです。
したがって、今回新たに加わったミッションである”反撃”には、統合防空ミサイル防衛とは違う検討が必要となりますが、名称に拘らず、「我々が対象としている安全保障のための宇宙システムの検討には、迎撃支援と同様に、反撃支援も含める」こととしました。以上、結論的には反撃も検討の対象とするという当たり前のこととなりましたが、一応このように整理を行いました。
次に話題となったのは、今回の防衛力整備計画に記載のスタンド・オフ防衛能力についてです。今回の反撃能力保有の政府決定は歴史的快挙ですが、例えば、2026年、27年とされる有事対処への具体的な期限を考えると、現時点では国産開発品は厳しいことは当然ながら、海外からの既存ミサイル購入についても、その数量確保は難しいのではとの意見が大勢を占め、調達を加速することの必要性を共通認識としました。
更に、反撃が発動される条件である我が国が弾道ミサイル等で攻撃を受ける場合についての議論、これも盛り上がりました。
特に、準備資料で一例として取り上げた、今年1月に「米シンクタンク CSISが発表した中国の”台湾侵攻ウォーゲーミング”」 に関連して、先制攻撃としての在日米軍基地を中心とした航空基地への攻撃が話題となり、結果として、その蓋然性が高いこと、迅速な対応を欠くと、当方の反撃作戦への大きな制約となりうることなどを確認しました。
なお、CSISのウォーゲーミングについては、ゲームのように我が国も参戦することになるのかどうかについての不安など、シナリオの具体的な内容についても、興味が多く示されました。
その他、内容の詳細は載せませんが、今回のテーマ「反撃」がホットであり、かつ従来は実質的にタブー視され、具体的に扱われることがほとんどなかったもののため、大いに議論がなされ、あっという間に2時間半が経ってしまいました。準備したプレゼン資料も半分程度を説明した段階でタイムオーバーとなり、最後のラップアップになんとか結論(論点)のページをねじ込む形となってしまいました。
次回の分科会については、テーマは未定(仮)ですが、4月には実施することを計画しており、予定を2項に載せておきますので、ご参考いただければ幸甚です。
1.実施内容:
テーマ:”「反撃!」”-スタンド・オフ防衛能力の整備と反撃作戦遂行のための要件-
[主な内容](以下は準備した内容であり、討議はすべてについて行われたものではありません)
■歴史的大転換:反撃能力の保有
・防衛力整備計画について
ー スタンド・オフ防衛能力
ー 統合防空ミサイル防衛能力
■迎撃+反撃:ミサイル防衛において我が国に欠落している宇宙システム
■戦闘の開始:先制攻撃
・例:米戦略国際問題研究所(CSIS)による”中国の台湾侵攻ウォーゲーム”
□「弾道ミサイル等による攻撃」への反撃
□発動はSEW情報!?
■論点:宇宙利用なくして「反撃」なし
2.次回予定等:
【テーマ】 ”技術レポート【中間報告】から:宇宙利用への提言”(仮)
日時/場所:4月 27 日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
- 場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
- 講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
- 会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
以上
発信日:令和5年2月19日
内容:第6回分科会ののご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"第6回分科会のご案内"
2022年12月16日、「国家安全保障戦略」など防衛3文書が発表されました。歴史的大転換といっても間違いなく、特に、次の3点は、高く評価されると考えます。
一、現在の中国(中共)に対して、「対外的な姿勢や軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦であり、我が国の総合的な国力と同盟国・同志国等との連携により対応すべきものである」と断じ、事実上、最大の脅威と位置付けたこと。
一、防衛力を、国家安全保障の最終的な担保との認識を改めて示し、「ロシアによるウクライナ侵略のように国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態が、東アジアにおいて発生することは排除されない。このような安全保障環境に対応すべく、防衛力を抜本的に強化する」としたこと。
一、我が国への侵攻を抑止する上で鍵となるのは、スタンド・オフ防衛能力等を活用した反撃能力であるとし、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力、すなわち反撃能力を保有する必要があると宣言したこと。
特に、3点目の反撃能力については、「憲法上、誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」とした1956年2月29日の政府見解を再掲し、改めて、今般保有することとする反撃能力は、上記三要件を満たす場合に自衛として行使し得るものとしたことは、毅然として、明解であると考えます。
このような状況を受け、MD分科会でも、有志によりクローズド・ミーティングにて意見交換を行い、反撃能力保有にあたっての課題/問題点についても理解が深まり、「反撃能力の行使には宇宙が不可欠 」との認識をあらたにしました。
本件について、会員皆様と是非討議させていただきたいと思います。つきましては、以下のように第6回分科会を計画いたしますので、ご参加いただければ幸甚です。
1.実施内容:
テーマ:「反撃!」
ースタンド・オフ防衛能力の整備と必要とされる反撃作戦の即時遂行ー
日時/場所:3月 16日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
[主な内容](以下は発表順番とは必ずしも一致しません)
■歴史的大転換:反撃能力の保有
・防衛力整備計画について
ー スタンド・オフ防衛能力
ー 統合防空ミサイル防衛能力
■反撃(スタンドオフ防衛)能力:長距離誘導弾(開発/導入予定まとめ)
・反撃作戦
・これが日本の「反撃」だ!
・反撃対象
・米国トマホークの例
・ウクライナ戦争に見るミサイル攻撃の迎撃率
■ミサイル着弾は発射から約6~10分以内
・発射探知:北朝鮮、ICBM級ミサイル発射 11月3日の例
■論点:宇宙利用なくして「反撃」なし
・Palantir Gotham for Defense Decision Making
・人工知能(AI)を活用した指揮官の意思決定
参加募集締切:2023年3月9日(木)
宛先:office@jiss.or.jp(新規に参加を希望される方は、募集要領の細部はコチラから)
[備考]
・場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
・講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
・会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
2.今後の計画:
今後の予定は、来年度に入り、あらためてご案内いたします。
以上
発信日:令和5年2月19日
内容:第6回分科会ののご案内
発信者:MD研究会 三堀(幹事代表)
分類:研究会_MD
"第6回分科会のご案内"
2022年12月16日、「国家安全保障戦略」など防衛3文書が発表されました。歴史的大転換といっても間違いなく、特に、次の3点は、高く評価されると考えます。
一、現在の中国(中共)に対して、「対外的な姿勢や軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦であり、我が国の総合的な国力と同盟国・同志国等との連携により対応すべきものである」と断じ、事実上、最大の脅威と位置付けたこと。
一、防衛力を、国家安全保障の最終的な担保との認識を改めて示し、「ロシアによるウクライナ侵略のように国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態が、東アジアにおいて発生することは排除されない。このような安全保障環境に対応すべく、防衛力を抜本的に強化する」としたこと。
一、我が国への侵攻を抑止する上で鍵となるのは、スタンド・オフ防衛能力等を活用した反撃能力であるとし、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力、すなわち反撃能力を保有する必要があると宣言したこと。
特に、3点目の反撃能力については、「憲法上、誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」とした1956年2月29日の政府見解を再掲し、改めて、今般保有することとする反撃能力は、上記三要件を満たす場合に自衛として行使し得るものとしたことは、毅然として、明解であると考えます。
このような状況を受け、MD分科会でも、有志によりクローズド・ミーティングにて意見交換を行い、反撃能力保有にあたっての課題/問題点についても理解が深まり、「反撃能力の行使には宇宙が不可欠 」との認識をあらたにしました。
本件について、会員皆様と是非討議させていただきたいと思います。つきましては、以下のように第6回分科会を計画いたしますので、ご参加いただければ幸甚です。
1.実施内容:
テーマ:「反撃!」
ースタンド・オフ防衛能力の整備と必要とされる反撃作戦の即時遂行ー
日時/場所:3月 16日(木) 14:00-16:00 @JISSオフィス
[主な内容](以下は発表順番とは必ずしも一致しません)
■歴史的大転換:反撃能力の保有
・防衛力整備計画について
ー スタンド・オフ防衛能力
ー 統合防空ミサイル防衛能力
■反撃(スタンドオフ防衛)能力:長距離誘導弾(開発/導入予定まとめ)
・反撃作戦
・これが日本の「反撃」だ!
・反撃対象
・米国トマホークの例
・ウクライナ戦争に見るミサイル攻撃の迎撃率
■ミサイル着弾は発射から約6~10分以内
・発射探知:北朝鮮、ICBM級ミサイル発射 11月3日の例
■論点:宇宙利用なくして「反撃」なし
・Palantir Gotham for Defense Decision Making
・人工知能(AI)を活用した指揮官の意思決定
参加募集締切:2023年3月9日(木)
宛先:office@jiss.or.jp(新規に参加を希望される方は、募集要領の細部はコチラから)
[備考]
・場所等:参加者はJISSオフィス(紀尾井町)に5分前までに参集。なお、リモート配信は行いません。
・講義、資料等:すべて幹事側にて準備します。
・会議でのディスカッションはチャタムハウス・ルールに準じることとします。参加者には自由な意見交換をお願いします。
2.今後の計画:
今後の予定は、来年度に入り、あらためてご案内いたします。
以上